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還流独歩

寒波襲来 2009.12.19

寒波が来ている。予報では、今朝の最低気温は氷点下7-8℃ということだったが、予想外にも–15℃くらいまで下がったようだ。今年の1月にケルンに戻って来たときにも寒波が来ていて、気温は氷点下18℃くらいまで下がったが、今回の寒波もそれに匹敵する寒さだ。

朝起きると昨日降った雪が天窓に積もったままになっている。中庭を介した反対側の家の屋根も真っ白だ。気温が相当低いことはわかったが、部屋の中は特に寒くは感じられない。夕べは温水暖房の強さを少し控えめにして寝たけれど、もう少し抑えても大丈夫なようだ。その暖房能力には本当に感心する。

9時過ぎ、街の中心部にあるAgrippabad/アグリッパバートに泳ぎに行く。歩くと雪のきしむ音が聞こえる。気温が低い証拠だ。生まれ育った北海道では当たり前だが、雪道を歩く足下から聞こえてくる独特の音が耳に懐かしい。雪道で滑って転倒するなど道産子には絶対にあってはならないことだが、石畳の上に積もった雪は微妙に滑るから侮れない。

プールに行ってみると、いつもよりも人が少ない。降誕祭を間近に控えている上に、この寒さと雪の影響もあるのだろう。いつものように30分ほど泳いだが、その間にも泳ぐ人が増えることはなかった。朝日が昇って来て、南面の斜めのガラスに積もった雪に光が反射して輝いている。このプールにはチューブの中を滑るウォータースライダーがあるのだが、入口と出口以外は外に設置されているので、中の空気が今日は異常に冷たかった。

帰り道、車道の融けた雪が茶色くなっている。いくつかお店に立ち寄るが、そのせいでどこの店内も床が汚れている。外を行き交う人も、お店の中にいる人も、みんな足下を気にしながら歩く。車に積もった雪を払い除けている人を見ると郷里の北海道を想い出す。郷愁など感じないが、同じ北国であることを実感したりもする。

冬の弱々しい日射しが差し込む自宅に戻り、先日の視察でお世話になった方々に礼状を書く。新年には次の視察の方が来ることになったので、その行程表を作成したり、メールでの問合せなどに返信していたら、もう夕方である。もう少し落ち着いていろいろな作業をしたいのだが、なかなかできないまま降誕祭の前の最後の週末を迎えてしまった。

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