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還流独歩

視察同行開始 2010.01.07

今日は視察の方がドイツに到着するので、フランクフルト空港までレンタカーで迎えに行き、今日の宿泊地であるケルンに夕方戻ることになっている。だから視察同行開始といっても、今日は往復400km弱の移動だけなのだが、雪やアウトバーンの状況も心配なので、今日からは気が抜けない状態が続く。

午前中、予約してあるレンタカー会社から電話があり、希望している9人乗りの手配が難しいので、メルセデスの6人乗りではどうかと訊いてきた。電話のお姉さんは、ワゴンの中でも最も大きいRクラスを用意するという。私は4人分の大きなスーツケースが入る車でなければ意味がないので、それだけが心配だと言うと、絶対に大丈夫だと言い切るので、その車にした。

とはいえ、どんな車なのか気になるので、電話を切ったあとウェブで調べてみた。6人乗りといっても、実際のところ最後部の2席は予備で、通常はこの席を前に倒して荷物を入れるのに使うツーリングワゴンである。もちろん、1席だけ倒すこともできるし、後部の2席を縦に2つ倒せば、長いものも運べるというやつだ。ともかく、4人での移動は問題なさそうなので一安心する。

14時半過ぎ、レンタカー会社へ行く。電話をかけてきたとおぼしき女性は、手早く対応しつつ、料金は9人乗りの額のままで良いという。私は9人乗りの方が高いのかと思ったら、メルセデスのRクラスの方が遥かに高いらしい。そのお姉さんは、駐車場にいると思われる同僚に、もう準備はできているかと内線電話で訊いている。いま掃除をしているが、すぐに出られるだろう、ということで、キーを受取って裏の駐車場に行くと、年配の男性が車内に掃除機を掛けている最中だった。

人を迎えに行くのに遅れるわけにはいかないのだが、こういった場合、気を落ち着けて、少しくらい会話を楽しむくらいの余裕がないといけない。その男性は、前に借りた人が犬を乗せたので、その毛がなかなか取れず大変なのだと言う。内部を見ると、後部座席の足下には、まだ犬の毛が少し残っている。車の大きさは確認するまでもなく、十分過ぎるほどの余裕がある。後部の荷物置き場も、かなりの奥行きがあるので、ほぼ問題ないだろう。

掃除をしていた男性は、この車は長距離移動には最高だよ、と言う。今回はドイツを南北方向に縦断するので、おそらく2000km以上は走ることになるだろうと言うと、運転もしやすいし、乗り心地も最高だから、きっと快適な移動ができると思うよ、とのことである。既存の傷と、冬タイヤに変えてあることを確認したら、その男性は「気をつけて」と言い残して、あっさりと事務所に戻って行った。彼の説明は大袈裟にも聞こえたが、改めて車内を見回したら、そんな気にもなって来た。

15時出発の予定が、20分以上遅れてしまったが、走り出す前に、いま一度、車の装備や機能を確認し、一路フランクフルトへ向かう。視察の方を乗せた飛行機は、定刻の10分前に到着予定であることは、フランクフルト空港のサイトで確認済みである。アウトバーン3号線を南下すると、途中の標高の高い箇所は圧雪状態の部分が残っていて、無制限区間でも速度を控えめにして走る。フランクフルト空港の手前にある、お手洗いだけしかない休憩所で一休みし、少し時間調整をしてから空港に到着した。

視察の皆さんとは問題なく合流し、無事、ケルンへと戻って来た。車を宿泊先の近くの路上駐車場に停めたあと、安着祝いということで、大聖堂の近くのビアホールに行く。ケルンへの到着が少し遅かったのと、明日から本格的な視察が始まるとはいえ、23時過ぎまでケルシュビアを楽しんだ。来週の金曜まで、無事、視察が終えられるか心配な気持ちもあるが、何とかなるだろう(笑)。2500kmの視察旅行は始まったばかりである。

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