大平一枝さんのコラム 2010.01.25
朝日新聞のウェブサイト版に掲載されている「世界のウチ」というコラムに、不定期で拙稿を書かせて頂いている関係で、他の記事にも目を通すことが多い。その中でも共感させられることが多いのが、大平一枝(おおだいらかずえ)さんの「小さな家の生活日記」というコラムだ。
大平さんは、インテリアや、独自のライフスタイルを持つ人を取材し、女性誌や文芸誌、新聞等に寄稿しているフリーの書き人である。もちろんというのは失礼な言い方だが、お会いしたことは一度もないし、大変に恐縮ながら著書も拝読したことはないのだが、「住まい」という同じサイトの中にあるので、一方的ながら何となく勝手に親しみを感じているのである。
大平さんのコラムは、これまで欠かさずに読んでいる。もしかしたら、いくつかは読み飛ばしてしまったことがあるかもしれないが、彼女の視点には共感させられることが多い。取材した人から素直に感じられることや、日々の生活の中の一こまを切り取り、そこにある背景や、いろいろな思いを鋭い感覚で捉え直し、多角度な視点から掘り下げてわかりやすく書いている。フリーの書き人であり、そして女性という立場だからこそ、物事を普通の人とは違った面を見つけ出すことができるのだと思う。
それにしても、毎週一回、コラムを書き続けるというのは、本当に大変なことだろう。月一回でも大変なのに、それが毎週となると、ほぼ毎日、原稿を書いているような状況になるはずだ。比較する相手として甚だ失礼なのだが、私だったら到底無理である。かつて、毎月一回のコラムを書かせて頂いたが、私の要領の悪さもあってか、原稿を出して、校正し、最終原稿を提出したら、また次の原稿に取りかからなくてはいけない状況だった。
最新の2月1日のコラムでは「やかんのゆくえ」について書かれていた。自分が気に入ったデザインのものが見つかるまで、待ち続けるということなのだが、その気持ちは大変に良くわかる。何かを買いに行っても、たとえそれが安いものであっても、手元に置いておきたくなるような素敵なデザインを持ち、しかも長く使える自分にとっての「ほんもの」を見つけるのは本当に難しいことだと思う。だから、私も簡単にはものを買えなくなってしまった。
毎週月曜に更新される大平さんのコラムは、私にとってもとても参考になるし、わかりやすい文章から学ぶことも多いので、これからも読み続けて行こうと思う。
加筆訂正:2010年2月3日