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還流独歩

環流独歩の行方 その1 2010.02.17

某企業の方にお誘いを受けて、ビッグサイトで開催されているHVAC&R JAPANという冷凍技術や冷暖房、空調に関する展示会へ行く。事務所の近くのバス停から一本で行けるので便利だが、昼間は定刻通りに来ることはないし、東京駅が始発なので、席が空いていることも少ない。今日は午後遅い時間だったので、いくつか席が空いていて、運良く座ることができた。バスは月島や豊洲を抜け、30分ほどで国際展示場に着いた。

お世話になっている方々に簡単に挨拶を済ませ、会場内を少し見てから、またすぐに都内に戻り、そのまま食事へ行く。今日、声をかけて頂いた方は、仕事の付き合いを通り越して、もう何年も私との飲みと語らいの時間を、わざわざ割いてくれている。私と会っても会社の営業にはつながるようなことはないのだけれど、「大事な仕事と大切な時間は別だ」と言って頂けるので、私はとても感謝している。

2軒目へ移動してから、この環流独歩の話になった。その方は、いつも目を通してくれているとのことで、私としては気恥ずかしいものの、大変に有難いと感じている。でもその一方で、不特定多数の人に向けて書くことが果たして良いのかどうか気にかけてもくれているという。実は私自身も、このまま書き続けて行くことが本当に良いのかどうか悩んでいる。私のことを知っている方と、知らない人では、読んだときの受け止め方が違うし、誤解を招く恐れも多分にあるからだ。

でも、これが誰にも公開しない私の中にだけ留めておく秘密の日記だったら、毎日書き続けることは不可能だと思う。頻繁に読みに来てくれる方にはとても失礼な話なのだが、私はたくさんの人に読んでもらおうとか、共感してもらいたいと思って書いているわけではない。ただ、これを読んだ方から何か新たな出会いや取組みにつながるようなことがもしあるとすれば、私としてはそんな光栄なことはない。でもやっぱり、それだけを目的として書き綴っているわけでもない。

そんな中、読んでくれている方から、「私の感性が感じられる」とか「抵抗なく心に入ってくる文章ですね」というお褒めの連絡を頂くと、恥ずかしながら素直に嬉しく感じる。そして本当に有難いことだとも思う。だからこの環流独歩は、誰かのために書くということは意識しないままで行こうと思う。私の日々の備忘録であり、いまの自分が感じる思いであり、ときには過去の回想録であり、そして喜びや不満、意見や疑問を素直に綴る場であれば、それで良いのかもしれないと思っている。

その2へ続きます。

加筆訂正:2010年5月28日(金)/2010年6月11日(金)

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