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Rimowa再訪 2010.05.18

愛用のRimowa/リモーヴァのスーツケースの車輪がまた曲がってしまった。日本語では「リモワ」という何だか締まりのない呼び方をされているこの会社の本拠地はケルンである。以前にも多少の損傷を受けたことがあるので、本社工場に修理をしに行ったことがこれまで何度かある。

実は先月の下旬、ケルンからベルリンへ飛んだとき、今度はかなりの損傷を受けてしまった。今回も車輪の一つがかなり曲がってしまい、回らなくなった。あと二か所ほど、大きな凹みも気になるところだ。Rimowaは壊れやすいと言われているけれど、確かにそうかもしれない。

ベルリン空港では、念のため、修理を無料で依頼できる手続きをしてもらい、そのとき書類と一緒に修理会社の電話番号をもらったのだが、何だか面倒になって、結局またRimowaの本社工場へ行った。しつこいけれど、ドイツ語読みは「リモワ」ではなく、「リモーヴァ」である。

ここの工場は朝が早い。7時15分から稼働している。でも私が行ったのは11時頃だ。そんなに早くに行けるわけがない。工場内には修理受付専用の窓口があり、そこへ持ち込むと、どれくらいで直せるか、すぐ教えてくれる。この損傷状態だと一週間はかかるのではないかと思った。

出てきた男性は、修理担当の同僚に訊いてくるので少し待って下さい、と言う。そして数分後に戻ってきて、20分くらいで直せるという。そんなに早く直してもらえるとは思っていなかったので、私は拍子抜けした。結局、15分もかからずにスーツケースは戻ってきた。

修理をしてくれたのは、確かこの前と同じ男性だった。男性というか、お兄さんと言った方が良いだろう。背が高く、赤っぽい短髪で、しかも耳にピアスをしている。彼は、「どうだ、これでいいか」というような誇らしげな態度で修理した箇所を見せてくれた。車輪は全部新しいのに変わっているし、凹みも直っている。素晴らしい。

修理工場を気持ち良くあとにした私は、部屋に戻って修理してもらったところをよく見てみた。スーツケース内に修理してくれたときの小さな破片が入っていたり、内張りの保護シートが少しずれて貼ってあったりしたが、15分で直してくれたのだから、そんなことには目をつぶろう。

そのお兄さんは、きっと毎日毎日、何十個というスーツケースを直しているのだろう。Rimowaは、一体、どれくらいの種類のスーツケースを製造しているのかわからないけれど、このお兄さんは、一瞬にして、必要な部品がわかり、きっと棚から即座に必要なものを取り出して、瞬時に修理できるに違いない。

私はそういうのに少し憧れたりする。でもできれば、このお兄さんのお世話にはならない状態が続いてくれることも願いつつ、これからもRimowaの製品を使い続けようと思う。

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