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還流独歩

ローマ字表記と日本語の発音 その1 2010.05.22

日本の旅券に表示されるローマ字は外務省が採用しているヘボン式という書き方だ。一方、文部省では違う書き方である。これらについては、いろいろな方が多角度から考察しているし、正しい答えなど出せないから、ここで私見を述べても意味はないのだが、私も気になることがあるので敢えて問題を提起したい。

私がいつも気になるのは、伊藤さんとか、佐藤さん、あるいは京子さんや、洋子さんといった名前の書き方だ。伊藤さんはItoで、佐藤さんはSatoと書く。京子さんはKyokoで、洋子さんはYokoだ。もし日本の名前に初めて触れた人なら、その発音は、伊藤さんならイトさんで、佐藤さんはサトさん、京子さんはキョコさん、洋子さんはヨコさんになる。

いずれにしろ、海外の人は正しい日本語のようには読んでくれない。それを解消するために、最近では語尾にhをつけて、Itoh、Satoh、Katohというのも認められているが、仮にそれらの発音をカタカナで表現すると、イトー、サトー、カトーになる。日本語の発音としては確かに正しい。

にもかかわらず、フリガナでは、イトウ、サトウと書く。京子さんはキョウコで、洋子さんはヨウコに決まっている。例外は、オノ・ヨーコだけだろう/笑。でも日本語の発音そのものだけを単純にカタカナに書き換えてみると、彼女は実に正しい。つまり、日本語では、ouというのはオーという長母音になるのだ。何だかフランス語みたいだ。

だから、こういった名前には、私は単純にuを入れたら良いと思っている。Itoに慣れてしまっているから、Itouと書くのは変に感じるかもしれないが、日本語をローマ字でouと書いたときには、オーと発音するということにしておけば良いだけだ。後ろにつける文字は、hではなく、uである、と私は実に他愛もない主張をしたくなるのである。

その2へ続きます。

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