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日本の電車に乗ると、車内のアナウンスの丁寧さが良い意味で気にかかる。ドイツにも車掌はいるがほとんどの場合、何も話さない。ICEと呼ばれる高速新幹線は比較的丁寧な案内があるが、急行や快速に乗車している車掌は次の駅の名前さえ言わないことが多い。各駅停車には車掌が乗らず、運転手が乗り降りを確認だけする光景もよく見かける。

ドイツの地下鉄は、東京の丸ノ内線のように運転手しかいないし、大都市では、バスに乗る人は事前に乗車券を買っておくか、あるいは車内の券売機で買うから、運転手は乗客が切符を持っているかどうかの確認はしない。「発車します」、「次、停車します」など言うこともない。聞こえてくるのは、次の停留所を知らせる音声案内だけである。

東京を中心とする私鉄に乗ると、車内での通話や、駆け込み乗車を止めるように促したり、何分遅れていて申し訳ないとか、どの駅で急行に接続とか、車掌はたくさんのことを話してくれる。私鉄に限らず、地下鉄もJRも、乗車する人に対して、常により良いサービスを提供しようと考えてのことだとは思う。

特に東京は私鉄も地下鉄もたくさんあって複雑だし、人も多いから、それはそれで理解できるのだが、いろいろな車内アナウンスを毎回聞くと、毎回、丁寧さを感じつつも、何もしないし、それをするつもりもないドイツの電車と比較してしまうのである。

加筆訂正：2011年4月8日(金)