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還流独歩

水中の譲り合い 2010.07.03

泳ぎに行くと、一つのコースに何人かいることが多い。一人で泳ぐときも気持ちが良いが、互いの泳ぐ早さと微妙な距離間を感じられるときも、心地良く泳ぐことができる。

私はかなりゆっくり泳ぐけれど、私よりも遅い人もいるし、早い人もいる。遅い人は先を譲ってくれることも多いが、問題なのは異常に遅い平泳ぎで、しかも後ろから追いついてくる人に対し何の配慮もない人だ。

一方、私よりも早い人で、しかも私のことなど気にも止めずに追い抜かして行く人に対して私は好感を持つ。追いつきつつも抜かしもしないまま、ずっとついてくる人がいると、先を譲るべきか迷って自分の泳ぎも雑になる。

私は30分ほど休まず泳ぐので、同じコースを泳いでいる人に止まって声をかけることなどしない。水の中では声を出せないから、相手の泳ぎ方や速度を見つつ、どうすべきか判断する。

あと25mの間に抜かされそうだとわかれば、少し端に寄って泳いだり、速度を落としたりする。ターンのときに抜かされそうなれば、私はその手前で左に入り、水中で溜をつくる間に追い抜いてもらったりする。

そんな風に、声をかけずとも互いの泳ぎを邪魔せず、自分の速度を維持しながら泳ぐことができると非常に気持ちが良いし、泳ぐことに対する充足感もまた得られる。

これからも、水中での譲り合いがうまく行くように、少しでも気遣いながら泳ぎたいと思っている。

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