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還流独歩

冷房と凝縮水 その1 2010.07.07

昨日からの流れです。

日本には、冷房設備が一体どのくらいあるのだろうか。家庭用のエアコンから、事務所兼築で導入されている業務用の大型の冷房装置まで、その種類も数も限りなくある。そして、そこから日々流れ出る凝縮水の量は、はたしてどのくらいの量になるのだろう。これは設備設計を行っていた頃からの疑問なのだが、事務所のテラスを流れ行く排水を見ながら、またそんなことを考えた。

夏の暑い期間、日本中の冷房設備から排出される凝縮水は相当な量になると思う。家庭用のエアコンであれば、自然放流ということが多いだろうが、業務用になると配管を施し、雑排水として下水に流れて行く。あくまでも私の憶測だが、どれだけの凝縮水が排水されているのかを把握している人は、おそらく誰もいないのではないだろうか。

その量は、ある程度の仮定をすればだいたいは分かるかもしれないが、湿度の低い日もあれば高い日もあるし、外気温や設定温度の状況によっても大きく左右されるから、実際の排水量を算出するのは極めて難しいだろう。そして、配管がなされている場合、実際に排水されているところを見るのも不可能だ。

一般の水道では、飲用や調理に使う以外の量がおおよそ排水量になるし、お手洗いでも排水量はだいたいわかる。その中で最も把握できないのが、冷房設備から流れ行く排水の量だ。そんなことを把握しても何の意味もないかもしれないが、冷たい凝縮水を垂れ流しにするのは何だかとてももったいないような気がするのである。

その2へ続きます。

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