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還流独歩

熱損失係数を考える その1 2010.07.09

現在、設計を進めている住宅の熱損失係数と暖房負荷を算出した。そのついでに、暖房に必要な費用についても大まかに計算してみた。熱損失係数については、友人からもらった計算表を使いはしたが、作業を進めるうちに、結局のところ、すべて自分でつくることになった。建築というのは一つ一つ違うし、壁の構成も異なるから、結局のところ自分が理解できるように作成した方が早いということになる。

熱損失係数の算出そのものは何も難しくはないが、面倒ではある。部位ごとの熱貫流率を算出し、それぞれに該当する面積をかけると家全体の熱損失量が求まる。それだけの作業なのだが、数値を一つずつ確認しながら入力する作業を続けていると、一日半もかかってしまった。しかも断熱材や窓の仕様を変えたときに、どの程度の変化があるかを把握するための数値も併せて算出しようと思うと、自作の一覧表は段々と複雑になる。

ところで、算出した熱損失が仮に200W/Kだとする。この値は外気と温度差が1℃のときに家全体から失われる熱量を示すから、室内の設定温度を仮に20℃、外気温を0℃とした場合、その温度差である20℃を乗じると暖房負荷は4000Wと求まる。つまり換気による熱損失がまったくないとすると、この家を20℃に保つためには4kWの熱を投入しなければならないことがわかる。

その2へ続きます。

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