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還流独歩

設定温度は32℃ その1 2010.07.19

梅雨が明けて、今年も暑い夏がやってきた。窓を開けて、できるだけ風を取り込み、エアコンにはなるべく頼らない生活を心がけてはいるものの、外気温が30℃を超える日には、やはり冷房のお世話になってしまうことが多い。この時期になると毎年思うのだが、都心はやはり暑いと思う。気温そのものも高いが、建物やアスファルトからの照り返しも強いから、放射の影響も大きいのだろう。

最高気温が35℃の予報が出た日の午前中は、道路の反対側にある高層の建物の外壁に強烈な東からの日射が当たるため、その外壁から放たれる熱放射を強く感じる。放射温度計で仮想表面温度を測ると37℃だった。窓面で少し抑えられるとはいえ、そんな壁が近くにあると暑いのは当たり前だろう。太陽高度が高くなるお昼前後には、張り出したバルコニーが日射を吸収し、表面温度は50℃近くまで上がるので、この照り返しも暑い。

事務所のエアコンの温度は最高で32℃まで設定できる。梅雨明けのこの時期、32℃に設定してもエアコンは、休まずほぼ常に稼働する状態になる。窓や壁からの熱取得に対して、冷房の能力が十分ではないことは明らかだ。でも、節約のため、つけたり消したりしながら暑さをしのいでいる。例えば、窓の外側に日除けを設けることも考えたが、それよりも断熱されていない外壁の面積の方が大きいから、窓からの熱の流入を抑えたとしても、おそらく大差はないだろう。

その2へ続きます。

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