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還流独歩

往復はがきな日 2010.07.27

郵便局へ往復はがきを買いに行った。窓口の女性が訊いてきた。「折った状態のものでも良いですか?」。私は一瞬ためらった。というのは、往復はがきというのは、折った状態で使うのが普通だろうと思ったからだ。そして瞬時のうちに答えた。「構いませんよ。郵送するときには折りますから」。でも、100円を払ったあとにまた考えた。

往復はがきというものは、私にとって、どのような状態で手に入っても一向に構わない。折れていようが、折ってなかろうが、何の不便もない。でも、往復はがきを大量に発送するような人にとっては、おそらく開いている状態の方が作業がしやすいのかもしれない。あるいは折り目がついている方が良いという人がいる可能性だってある。

そんなことを考えながら、買った往復はがきに必要事項を記入していたら、もう一通、必要なことがわかったので、移動先のまったく別の郵便局に入った。往復はがきが欲しいと伝えると、窓口の女性は「開いていても構いませんか?」と訊いてきた。私は心の中で唸った。どの郵便局でも、折ったものと開いたのを置いているらしい。

一枚だけ必要な私にとっては、どちらでも良いことなのだが、中にはいろいろと要望をいう人がいるのかもしれないと考えた。往復はがきひとつにしても、折ったものと折っていないものの二つを用意することが顧客の満足度につながるかどうかなど私にはまったくわからないが、何だか微妙に気になる往復はがきなのであった。

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