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還流独歩

微冷房と蓄冷効果 2010.07.31

ここ数日、事務所の温熱環境にちょっとした異変があった。午後に外出して、夜帰ってきても、事務所内が暑くないのである。入った瞬間、むしろほんの少し涼しく感じられる。以前は中に入ると明らかに廊下よりも暑く、よどんだ空気が感じられたのだが、いまは微妙なひんやり感が漂っている。今週の半ばに入り、猛暑が少しだけ落ち着いたからかもしれないが、最近始めた夜間の微冷房運転の影響が大きいのかもしれない。

これまで、夕方以降から就寝時まではできるだけ冷房を消して、通風を取り込むことで涼を得ていたのだが、深夜に窓から入って来る車や室外機の暗騒音が意外に大きく感じられ、また埃や塵も同時に舞い込んでくるので、窓は閉めることにし、冷房の設定温度を29℃にして就寝することにした。電気代がもったいないので、数時間後に停止したのだが、暑さで目が覚めてしまい、寝不足になるので、身体には良くないとは思いつつ、夜間の連続運転を試してみた。

その効果なのか、午前中もそれほど暑くはなくなった気がするのである。しかも、テラスをだらしなく流れていた凝縮水がまったく見られない。つまり室内の湿度がかなり下がっているだろう。どうもこれは、冷房をつけたり消したりする間欠運転よりも、無駄な抵抗はせず、微弱の連続運転の方が良いのではないかという気がしてきた。断熱が施されていない建物でも、じんわりとした冷気が壁に蓄冷される可能性がありそうだ。

そこで早速、朝の内壁温度を放射温度計で測ってみたら、いずれの壁も28℃弱であった。これは意外な結果である。もう少し高いかと思ったが、外気温も25℃くらいまで下がっているようなので、その影響もあるのだろう。週末は東京を離れるので、また振り出しに戻るような状況になってしまうが、いつも言っているように、これで外側に断熱が施されていれば、おそらくかなりの蓄冷効果が期待できるに違いないと思うのである。

加筆訂正:2010年8月5日(木) 

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