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子供部屋熟孝 その2 2010.08.10

その1からの続きです。

建築主の二人の子供は性別が違うため、思春期を迎えたら、二人がそれぞれ部屋が欲しいと主張することだって十分にあり得る。だから子供部屋は二つ与えたいという建築主の気持ちも十分にわかる。でも、二つあることは完璧な答えに近いようでいて、実は大人の勝手な理想でしかなく、それが本当に正しいかというと、建築主も私も断言できない。

極論として私は、子供部屋は子供たちが理想だと思う空間を自分たちで考えて、そして自由につくらせたらどうかと提案したことがある。そのための予算は別途用意しておき、例えば本棚などで部屋を仕切るような工夫など、いくらでも思いつくだろう。ドイツの友人の子供は部屋に小さなテントを張って、そこで寝ている。その方が楽しいのだ。

いまの計画では、6畳程度の子供部屋を二つ設けるのは面積的に極めて難しい。小さければ二つ可能だが、それだと閉塞感がある。そして、議論を何度も繰り返した結果、階段を上がった二階は、基本的にはオープンな空間とし、その一部に引き戸を設けて、それを閉じれば部屋が一つ確保できるという案に落ち着いた。

私もそれで良いと思う。細かな間仕切りは設けず、もし仕切りたいときは、カーテンやロールスクリーンという手がある。完全には仕切れないが、その代わり、吹抜けに面した廊下を含めた約14畳の空間が確保できる。大きくはないが、決して小さくはない。そこを子供の成長に合わせて、自由に組み変えて行けば良い。そんな風に感じている。

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