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還流独歩

大渋滞で昼食返上 2010.09.26

昨日、立寄ることができなかったロンドン市内の主要な見どころを見て回ったあと、10時過ぎに、Victoria and Albert Museumに行く。ここは大英博物館を少しだけ小さくした感じの博物館だが、展示の方法は決して引けを取らず、むしろ、こちらの方が見応えがあって面白い気がする。残念ながら、時間がなく、ほんの少しの滞在となった。

ところで、恥ずかしながら、ロンドン市内の博物館や美術館が、すべて無料だということを私は、今回初めて知った。イギリスは大英帝国と呼ばれているけれど、自ら「大」とつけるところが、ずっと気に食わなかったのだが、そのほとんどが無料と知って、大英帝国の偉大さがよくわかった。反省。

バスは11時過ぎに、ヒースロー空港に向かって走り始めた。ケルン/ボン空港への出発は15:05分だから、まだ4時間近くあるが、空港内での昼食を予定しているから、早めに着く分には問題ない。でも、この有りすぎるとも思える時間の余裕があって本当に良かったと思えたのは、高速道路に入ってからだった。

ヒースロー空港に向かう高速に入ったのも束の間、渋滞に遭遇した。間もなくして、バスの運転手に連絡が入った。空港の手前で高速道路が封鎖されているという。もう少し早く知らせてもらえれば、一般道で空港に向かえたのだが、数分遅かった。出発まで、3時間もあるので余裕がありそうにも思えたが、状況は深刻化した。

4車線に並ぶ車の群れは、遅々として進まない。一般道に下りるインターチェンジは8マイルも先である。最悪の状況を考慮しながらも、2時間以上かかって高速道路の出口までたどり着くことができた。そこから先も車の列が続き、一般道も空港ヘ向かう車で埋め尽くされている。結局、ヒースロー空港までロンドン市内から3時間かかった。

空港内での昼食の時間を考慮していなかったら、乗る予定の飛行機には確実に乗り遅れていただろう。的確な判断というより、少し余裕を持たせた行程だったから良かったが、それにしてもヒースロー空港への所要時間は、決して侮ってはいけないことを痛感させられた。

我々を乗せた飛行機は、定刻よりも30分程遅れて出発したが、乗り遅れることなくケルン/ボン空港に向かうことができて安堵である。ケルンに近づくと、飛行機の窓から大きな虹が架かっているのが見えた。空は晴れているのに、東の空は灰色の雲が垂れ込めている。きっとにわか雨でも降ったのだろう。

ガラスの箱とも言える、ケルン/ボン空港の新ターミナルを少しだけ視察して市内に向かう。数日前に迎えてくれた大聖堂が、今日もそびえ立っている。ケルンはロンドンのような大都会ではないけれど、大聖堂を見ると何となく安堵してしまうのである。ケルンの自宅には戻らず、今日を含めてホテルで二泊である。

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