理念 建築 略歴 連絡
文章 視察 還流独歩 大福企画
還流独歩

ルフトハンザの逆襲 その2 2010.10.15

予算の棒グラフを高い方にずらして行く。ついでに旅程も7日間にしてみた。683ユーロで、カリフォルニアとサンフランシスコとバンクーバーが現れた。どんどん上げて最高金額の1899ユーロにすると、ケープタウン、リマ、リオデジャネイロ、オークランド、メルボルン、ブリスベーンが出てきた。やっぱり遠い都市は高いようだ。でもこの料金は飛行機の運賃だけだから、旅行代理店に行った方が、宿泊も含まれた安い航空券がたくさん見つかるだろう。

確か2002年頃だっただろうか。ドイツにも格安の航空会社が、二社参入してきた。タクシー料金で空の旅をというのが謳い文句で、ケルンからパリまで1ユーロというときもあった。10ユーロでも100ユーロでもない。1ユーロである。他にも、月曜の午後といった中途半端な時間帯の便には、わずか1セントという額でも売り出していた。もちろんそれには空港税がかかるので、実際には30ユーロとか50ユーロはしてしまうのだが、欧州の航空運賃は大きく様変わりした。

それに対抗したのが、ドイツ鉄道とルフトハンザである。ドイツ国内は無料のアウトバーンが網の目のように広がっているから、ただでさえ車が強豪相手なのに、そこに格安の航空会社が現れ、いままでとは違う料金体系で飛行機に乗せてくれるというのだから、そこから四つ巴の激しい競争が始まった。ドイツ鉄道は、駅にさえ行けば、渋滞知らずで、移動中も仕事ができると宣伝し、出発の三日前までに切符を購入すれば割引が受けられる制度を導入した。

一方、ルフトハンザも、それまで往復でしか変えなかった航空券を片道でも購入できるようにし、しかも需要によって、航空運賃を大きく変えてきた。ドイツ国内は、往復で最低料金が99ユーロからという破格的な金額も出し始めた。もちろんそれは日によっても異なるので、あくまでも宣伝に過ぎないが、それでもドイツ国内の空いている区間なら、片道80から90ユーロ(約1万円前後)という便が設定されている。

ルフトハンザというと、少々、お高くとまっている感があったが、最近は印象が少し違ってきているように思う。東京へはエアバスを飛ばしているし、日本への便も相変わらず混んでいるようだ。しかも以前は安い席が簡単に見つかったのだが、今年に入ってからは、料金が高めに設定されたままになっている。旅行代理店の人の話によると、今年の10月の料金設定は夏よりも高いらしい。強気なルフトハンザ。4月の大噴火の損害を取り返そうとしているのだろうか。

ということで、何だかルフトハンザの宣伝になってしまった感があるが、あらゆる面で「ドイツ鉄道」にも大変にお世話になっているので、均衡を保つ意味でも、そのうち鉄道の良さをここで取り上げようかと思っている。

ちなみに、いま紹介したルフトハンザのサイトをお知らせします。ドイツ語です。英語の設定もあると思うのですが、残念ながらよく見ていないのでわかりません。いつまでこのサイトが見られるのかは不明ですが、興味のある方は、ドイツ語と格闘しながら世界を発見してみて下さい。

ルフトハンザ・ドイツ航空「世界を発見しよう」

« »