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後ろめたい粗大ごみの廃棄 その1 2010.10.16

捨てられずに、ずっと気になっていた粗大ごみを、ケルンの大型ごみ集積所に行って処分してきた。昨日のことである。そのために、わざわざ車まで借りてしまった。ここで紹介する程のことではないのだが、敢えて公表すると、捨てたかったのは、テレビ1台、モニター1台、椅子2脚、そしてスーツケースが一つである。この中で、自分で買ったものは最後のスーツケースだけで、他はもらったり拾ってきたものである。

テレビは、以前勤めていたケルンの設計事務所の同僚が、地下室に眠っていたのを、わざわざ隣町から車で持ってきてくれたものだった。もう10年前のことである。その当時でさえ20年前に製造されたようなテレビに見えたので、もう30年くらい前の型式だと思う。以前も書いた通り、私はテレビは見ないのだが、同僚が無理に持ってきてくれたので、ほんの一時期、テレビを見ていたことがある。それからモニターも友人の友人がくれたものだ。ノート型PCの画面が小さかったので、これは大いに重宝した。でも新しいPCを購入してからは、ほとんど使わなくなってしまっていた。

椅子は、以前住んでいた部屋の近くの通りに捨てられていた。ケルンの清掃局でも粗大ごみの収集にきてくれるから、家具などが歩道にまとめて捨てられていることがよくある。そのとき、たまたま通りかかったときに見かけたその椅子は、少し古いけれど、結構しっかりとしていたから、散々悩んだあげく、夜中に取りに行ってしまったというちょっと恥ずかしい想い出のある椅子だ。そのあと引っ越して、少し広い部屋に住んでからはいつも使っていたが、新しい椅子を買ってからは、ほとんど座ったことがなかった。

スーツケースはドイツに来てから買ったものである。もう12年前のことだ。最初に使ったのは、フロリダに住む友人を訪ねたときである。日本への往復にも何度も使ったし、アルゼンチンにも同行してもらった。でも4年くらい前に、京都を移動しているときに車輪のゴムが取れてしまい、4輪が3輪になってしまった。その後もしばらく使い続けていたのだが、安定しないし、さすがに不便なので新しいのを買ってしまった。修理に出すのも面倒だし、第一、直るのかどうかもわからないまま4年近く過ぎてしまった。

もったいないとは思いつつも、手元に置いておいてもどうすることもできないので、思い切って捨てることにした。ケルン清掃局の案内書によると、市内には大型ごみの集積所が二か所ある。平日は8時から20時まで開いている。土曜は8時から14時だ。良く読むと、ケルン市内に住んでいることを証明する書類と身分証明書を持参することと書かれているので、住民票と大家さんとの賃貸契約書、それに旅券まで用意した。金曜の夕方、その書類を持って、レンタカーに粗大ごみを積んで出かけた。車でごみを運ぶというのも微妙に後ろめたい感じがする。

加筆訂正:2010年10月26日(火)/12月17日(金)

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