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新造機で快適移動 その1 2010.10.19

今回の移動は、残念ながらエコノミークラスであった。前回のように、いつでもエコノミーからビジネスクラスに簡単に変更してもらえると思ったら大間違いである。ただ今年の春頃から、某航空会社は東京ーフランクフルト間に新型の飛行機を導入したので、それに乗ってみたいとは思っていた。この前は東京からミュンヘンに飛んだため、従来の機種と同じだったから、今回は新しい飛行機に乗れるのではないかという期待は少なくともあった。フランクフルト発の便は、おそらく飛行機の本体そのものは変わらないけれど、機内を新しくしたのではないかと思う。

ところで話は遡る。今日は、いつものように早朝に泳ぎに行き、部屋の掃除をする。いつもはしないのに、出発の日になると掃除してしまうという矛盾を感じつつ、浴室も奇麗に磨いて、ついでに床も全部水拭きをした。昼過ぎに近くのスーパーへお土産を買いに行く。基本はチョコレートだ。ベルギーのチョコレートが有名になったけれど、ドイツのだって負けてはいない。つい買い過ぎてしまい、スーツケースに入るのか心配になったが、今回は普段の荷物が少ないので、あっさり全部入ってしまった。

16時過ぎ、ケルンの自宅を出る。いつもは100m先にある停留所から駅前行きのバスに乗るのだが、そのバス通りが今日から道路の補修工事を始めたために通行止めになってしまった。仕方なく400mほど離れた地下鉄の駅まで行く。ケルン中央駅で、フランクフルト空港駅までの新幹線の切符を出力しようと思い券売機に予約番号を入力するが、券売機を変えて3回試しても、すべて拒否されてしまった。ケルン駅の窓口で訊こうかと思ったが、40人くらい待っているので諦めて、切符を発券しないまま新幹線に乗った。

余談だが、日本への航空券は、ケルンからフランクフルトまでの電車の移動分が含まれているので便利である。通常はルフトハンザのエアーレイル/AIRailという車両に乗るのだが、今回は満席とのことで一般の車両に乗った。車掌が来たので、何度試しても発券できなかった旨を伝えると、「システムの不具合から、最近そういうことが良くあるらしいよ」と他人事のように言い放ちつつ、予約番号を確認したらそのまま立ち去ってしまった。だったらわざわざ発券する必要もないだろう。でも、こういうところのいい加減さが私は意外と好きだったりするのである。ひどい我が侭だ。

東京行きの便は、ほぼ定刻通りに出発した。新造機のエコノミークラスの座席は、前に向かって左から、2列、3列、3列である。私は真ん中3列の一番後ろの通路側だ。本当は2列席の通路側にしたかったが取れなかった。でも通路側だから快適である。海外への渡航を良く知らなかった昔は、窓側が良いと勝手に思っていたが、巡航中は何も見えないし、特に3列席の窓側に座ることなど、いまは到底考えられない。最近は通路側でないと落ち着かなくなってしまった。通路側が取れないと便を変えてしまうくらいである。

隣りの席にはドイツ人らしき人が座っていたので適当に挨拶をした。ドイツの人は皆気さくだから、気軽に話しかけても何も問題ない。機内でドイツ語を話す機会が得られるというのは貴重なことである。聞くところによると、その男性はプァルツ地方のワイン街道沿いの街に住んでいるらしい。日本でドイツといえばロマンティック街道があまりにも有名だが、日本の人にはほとんど知られていないワイン街道のようなところにこそ本当のドイツがあるのかもしれない。その男性は一週間程、東京に滞在するという。

その2ヘ続きます。

加筆訂正:2010年10月20日(水)/11月10日(水)/2011年12月5日(月)

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