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還流独歩

熊騒動 2010.10.28

全国で熊の出没が相次いでいる。猛暑の影響で、おそらく山には餌がないのだろう。私は動物学者でもないし、熊の生態だって何もわからないが、冬眠を前にしても食べ物が見つからず、きっとお腹が空いて街へ出て来てしまったに違いない。熊だって人に迷惑をかけるのは本望ではないだろうけれど、犬や猫と違って、大きな被害を出すことも十分に考えられるから、殺されてしまうのはやむを得ないのかとは思う。

麻酔銃で捕獲し、少しの間、保護をしてから山に帰すという方法も一部では取られているようだが、捕まえるといっても、そう簡単ではないだろう。熊を入れる檻だって、どこにでもあるわけではないし、動物園にも保護するだけの余裕があるとは限らない。どこかに連れて行ったところで、誰がどうやって世話をするのか問題になるだろうし、ましてや費用だってかかる。でもだからといって、熊の命を簡単に奪って良いのだろうかとも思う。

あんな分厚い毛皮を着て、今年の夏は熊もきっと暑かっただろう。もしかしたら夏痩せしたかもしれないな。これから少しでもたくさん食べて、冬に備えようとしているのに、餌がないのはきっと辛いだろうな。動物園のように、毎日規則正しく食べられるわけでもないし、誰かが餌を用意してくれるわけでもない。人間のように、スーパーやコンビニエンスストアで買物することなんかできないしな。

お腹が空いたまま殺される熊は可哀想だな。言葉が通じるなら、人間社会には出て来ない方がいいよと言ってあげたいな。

加筆訂正:2011年9月2日(金)

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