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月島もんじゃ 2010.11.29

そういえば、先週の土曜に、本当に久しぶりにもんじゃ焼きを食べた。そのことを書こうと思っていたのに、ターンの練習とかいう実に下らない話題を書いてしまった。それはともかく、なぜもんじゃになったかというと、仕事で定期的に日本に来ているドイツの友人が、二週間近い日本での滞在中は営業絡みの会食が多く、典型的な日本食ばかりが続いたので、違うものが食べたいと言うからだ。ビール好きな彼のために、餃子とかも視野に入れつつ、ウェブで検索してみた。

そうすると、彼が宿泊しているホテルのすぐ近くに、お好み焼き屋があることがわかった。彼の好みに合うかどうかわからないので、ともかく訊いてみたら、それなら月島でもんじゃ焼きはどうかという返事が返って来た。彼は日本に長く住んでいたことがあるので、月島にも何度か行ったことがあるらしい。もんじゃと聞いて、一瞬、戸惑ったが、それも悪くない気がして、20時に月島で待ち合わせた。

「月島」「もんじゃ」「人気」とか何とかで検索すると、評判が良いというお店の一覧が出て来たので、それを持って出かけた。土曜のほどよい時間ということもあって、観光客らしき人が結構いる。彼にどうするか訊いたら、当然、一位から攻めるしかないだろうというので、一番人気(らしき)お店へ向かう。あまり奇麗なところではないが、外に並べられた椅子に10人くらい座っている。待つのは野暮なので次へ行こう。

二番人気のお店の前には誰もいない。期待が高まったが、扉の脇に「只今の時間帯は、予約のお客様に限らせて頂きます」との看板が出ている。三番目のお店に向かおう。あいにくここも4組待ち。こうなったら4番目でどうだ、と思いつつ、そのお店の中を覗くと、二席程空いているが目についた。店員さんに勧められるがままに、掘りごたつの小上がりに落ち着く。それにしても、月島のもんじゃ焼きの人気は根強いようだ。

ビールと一緒に頼んだもんじゃは、しそ明太。二人とも、「しそ」と「明太」に惹かれてしまったのだ。若い女性が、てんこ盛り状態のもんじゃを持って来たので、もんじゃ初心者ですと伝えると、手際良くあっという間に焼いてくれた。別に自分で焼いても良いのだが、ここは玄人に任せよう。毎日焼いているから上手いのはあたり前だが、焼きながらの説明が単調だった。友人が、背中に10円を入れると、また同じ説明をしてくれるよ、と冗談を言う。確かにそんな感じだった。しかも焼いてくれるのは一回だけで、二回目からは自分で焼いて下さいと釘を刺された。

それはともかく、しそ明太は美味しかった。かなり偏見を持っていたが、もんじゃにもそれなりの旨さがあるし、ビールといったお酒にも良く合う。目の前で焼くというのは、不思議と話も弾む。今日も日本とドイツの違いは何かで盛り上がった。どちらの国が優れているか、ということではなく、両国間にはこんな傾向がみられるのではないかというような比較論である。それは思考方法、デザイン、建築のあり方など、多岐に渡る。その全部は想い出せないのだけれど、今回の楽しい意見交換の時間になった。そんな貴重な機会を頂けたことに感謝である。

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