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還流独歩

飛出し注意 2010.11.30

昨日の午後、横浜での打合せを終えたあと、そのまま羽田空港に移動し、20時半の便で千歳に向かった。この時間になると、空港にいる人もまばらである。千歳は3℃。寒い。夜から雪が降り始め、深夜には道路にも5cmほど積もった。白銀の世界というにはまだ早いが、この冬の本格的な最初の降雪である。

本日火曜日、圧雪状態の田舎道を伊達に向かう。いつもは早朝に出るのだが、現場作業が明日までお休みで、打合せも午後からに変更になったので、9時過ぎに出発した。雪の影響があるかと思ったが、苫小牧のあたりからは雪もなくなったので、現場にはいつものように2時間程で着いた。足場が組まれていて、プレカット材が搬入されている。

ここ何日かで雨や雪が降ったので、基礎の内部にも結構水が溜っているが、建て方が始まったらポンプで排水し、除湿器も入れることにしている。布基礎の排水用の配管が貫通する部分も発泡ウレタンで塞がれているのを確認する。足場の一番上に上がり、念のため一周して現場の状況を上から見る。足場の鉄骨が異常に冷たい。

13時からの打合せは、夕方まで5時間近くかかった。これから年末まで、工事が一気に進むので、その前の最終確認である。外壁や屋根の色を決める時間も迫って来ているし、設備関係の仕様も確定したい。他にも開口部の納まりの確認などを行っていると時間はすぐに過ぎて行く。

18時過ぎ、伊達を出発して帰路につく。ラジオの情報では、美笛(びふえ)峠の路面は圧雪とのことだったが、雪はほとんどなかった。それほど険しくはない峠道を快調に走る。対向車は適度に来るのだが、私の車の前後には車が一台も見えない。追いついて来る車も、追いつく車もまったくいないまま、千歳の手前まで40kmも近く走った。

途中、支笏湖の脇の原生林の中を走っているとき、前方に巨大な動物の死骸が突然現れて、思わず声が出るくらい焦った。速度がかなり出ていたけれど、急制動をかけて、対向車線に避けられたから良かったものの、雪道で滑りやすい路面か、あるいはちょうど対向車が来ていたら、間違いなくぶつかっていただろう。

道路に横たわった図体を避けるのが精一杯で、何かはよく見えなかったが、毛並みから猪のようにも見えた。ただ、こんなところに猪が棲息しているものなのだろうか。エゾ鹿だったのかもしれない。ひきずられた痕が20mくらいあったので、はねられた後、後続の車に、さらにひかれた可能性もある。可哀想だが、同情しているわけにもいかない。

それにしても油断できないものだ。走行車線のちょうど真ん中に葬り去られた動物の幅は、少なくとも1mはあったし、胴体の高さも50cm近かった。危機一髪という程ではなかったが、反応が遅れて衝突していたら、車は大破していたかもしれないし、衝突の弾みで道路外へ飛出して、大事故になっていた可能性もある。

師走を迎える11月最後の日に、かなり驚かされることが待っていたけれど、これからも過信せずに、今年を乗り切りたいと思う。

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