復活銭湯 その2 2010.12.30
二つ目はロッカーそのものの大きさである。はっきり言って、こちらも小さ過ぎる。一番下は倍以上の高さがあるので、荷物が多い人はそこに入れれば良いのかもしれないが、その他のロッカーにコートから下着まで冬物の衣類をすべて入れるのは、ほとんど不可能である。着ていた衣類も、着替えも一つのロッカーに入れられないというのは問題だ。だから私は二つ使ってしまう。それで良いのかもしれないのだが、何とも納得がいかない。
気になる三点目は水質だ。私は頭髪も身体も石鹸を使って洗っているのだが、普通は水切れが凄く良いのに、今日はいくら流しても不思議な滑(ぬめ)り感がどうしても拭えなかった。特に手のひら、そして首筋や二の腕などは、まだ石鹸が残っているのかと思うくらいに滑るのだ。帰りに訊いてみようかと思っていたら、脱衣場に肌を滑らかにする「軟水装置」というものがついていると書かれていた。正直なところ、石鹸を流し切れない感じが実に鬱陶しい。
四番目に気になるのは、洗面器と椅子がすべてのカランの前に置かれていることである。銭湯というのは桶も椅子も入口の近くに積み上げられていて、それを手に取って洗い場に行き、上がるときには、洗ってもとに戻すのが常識だ。そうすることで空いている洗い場がすぐにわかるし、無駄な桶も椅子もないからこそ気持ちの良い空間ができ上がるのである。それがすべてのカランの前に置かれていると何だかだらしなく見えて、私は片付けたい衝動に駆られてしまう。
私が特に不満に感じていることは以上だが、他にも細かなことを挙げれば、脱衣室へ入る動線がやや複雑で、入る人と出る人が重なると互いにぶつかってしまいそうになることや、ロッカーを閉めるのに100円硬貨が必要になったことも気にかかる。もちろん開けたときに100円は戻って来るし、おそらく鍵を不用意に持って行かれることを防ぐ効果もあると思うのだが、常に小銭を持っていないといけなくなった。脱衣場の洗面器が一つしかないのも物足りない。
とまあ、かなり辛口の批評になってしまったが、もちろん良い面もたくさんある。すべてが奇麗になったから、とても気持が良い。入り口からフロント部分は明るい白を使い、浴室部分は黒を基調とする対比も悪くはない。肝心のお風呂は、ちょうど良い温度の浴槽が中心だが、熱めの風呂もあるし、数ミクロンの気泡に包まれた真っ白なシルク湯や水風呂もある。別料金とはいえサウナも完備された。しかも、週代わりで男性と女性が入れ替わるらしい。