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還流独歩

暑かった夏 2011.01.08

今更のように想い出すのだが、昨年の夏はとても暑かった。毎日暑くて、頭が正常に働かない日が多かったし、30℃の壁に囲まれるということが、どれほど温熱環境的に良くないかということを身をもって体験する生活を送っていたのに、冬が来たら、しっかり寒くなった。そして壁の温度は、例年のごとく10℃で、それ以上には上がらない。

冬至が過ぎたとはいえ、まだ日の出も遅いし日暮れも早い。昼間の太陽高度も低いままだ。それでも関東は晴天が続くことが多いから、寒くても耐えられるのかもしれないが、ドイツのように、太陽の見えない曇天が何日も続くと気持がかなり滅入るだろう。私は日本海側に住んだことはないが、冬は同じような天候らしい。

いま暑かった夏を想い出したところで、この空間も身体も温かくなるわけなどないが、地球上にはもっと寒くて、もっと暑いところがあるから、この程度など、まだ十分に耐えられると良い方に考えるべきなのかもしれない。そして地球に四季があることに対し大いに感謝すべきなのだろう。

冷たい壁を放射温度計で測りながら、地球というのは良くできているものだと改めて感じる。かじかむ手を温めながら、そんなことを思うのである。

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