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還流独歩

構造と設備 2011.01.12

午前中は某物件の構造図面を確認する。鉄骨構造で梁の数も多いため、設備機器の配置や風洞(ダクト)などを、どのように配置するか検討をしなければならない。梁には大梁と小梁があり、その高さが異なるのだが、大梁の下には天井との隙間がないので、梁に穴をあけて対応せざるを得ない。その部分は円筒形のような鉄の筒で補強する必要がある。

鉄骨の梁に開けられる穴の径は、その高さの半分まで可能なのだが、高さが低い梁は、当然のごとくその径を小さくしなければならない。つまり大梁と小梁が混在する場合、最大限に開けられる穴の大きさが違うので、大梁に大きな穴を開けたとしても、小梁に開けられる径の方が小さいから、大抵の場合、その径で統一することになる。

仮に空気を通すダクトの径が20cmあるとして、梁に開けられる穴の径が最大で15cmしかなかったら問題だ。その梁を通すことができなくなる。そこでよくある対応方法が、小さい梁を大きくして、大梁と同じ高さにすることである。そうすれば貫通口の直径を広げることができるし、穴の大きさも統一されるから施工がしやすくなる。

その一方で、構造的には小さくても良い梁を、わざわざ大きくするとなると、それだけ余分に費用がかかることになる。無論、建設費をできるだけ抑えることは大切なのだが、天井の中に納められる配管やダクト、電気配線などを適切に施すためには、小さい梁を大きくすることもやむを得ないのである。

といったことを、構造図面を見ながら検討しつつ、電話やメールで対応していたら昼になった。午後は階段の図面を仕上げる。建築主と大工さんに確認してもらおう。他には家具図の訂正も残っている。仕上げをどうするかも考えないといけない。1月も瞬く間に過ぎて行きそうである。

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