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還流独歩

冬晴れ東京 2011.01.19

午前3時過ぎに起床。睡眠というほどの眠りはまったく取れいてない。いつものように出発の準備をしないまま朝を迎え、そしていつもと同じく2時間程で荷物をまとめ、掃除と簡単な片付けをして、上野発7時の電車で成田空港に向かう。飛行機の出発時間は12時過ぎだから早過ぎるように思うが、空港では余裕のある時間を過ごしたい。今朝も晴れていて、東へ向かう電車には眩しいほどの横殴りの朝日が差し込んで来る。そして飛行機は、ほぼ定刻に出発した。

ビジネスクラスは空席が目立つが、エコノミーの搭乗率は9割くらいであろうか。今回は、運良く最後尾の通路側が確保できた。後ろに人がいない席の方が落ち着ける。隣りの二席には、大学生らしき若い人がいたので、食事のときに話しかけてみた。放射線科のある専門学校に通っていて、一週間の予定でドイツとフランスを回る修学旅行だという。ドイツでは医療機器を製造している企業をいくつか訪問するが、それ以外は観光らしい。

最初の食事が終わり、出発から2時間が経過したが、我々を乗せた飛行機はハバロフスクの近くまで来た程度である。全行程距離は9,514kmで、離陸してからの移動距離は1,700km。そしてフランクフルトまでの残りは7,800kmほどだ。まだ行程の2割も進んでいない。普段は気にも留めないのだが、目の前のスカイマップを久しぶりに真剣に見てしまった。外気温は氷点下52℃と出ている。いつも思うのだが、こんなところから放り出されたら一体どうなるのだろうか。

飛行機は快適に飛行を続け、16時半前にフランクフルト空港に到着した。いつものように17:09発のICE新幹線に乗れるかどうか微妙な状況になった。税関では、日本からの旅行客と思われる大人しそうな女性が係員につかまり、中を開けるように指示されている。その隣りは日本人男性だ。係官に話しかけられているが、意思の疎通ができていない模様。そのせいで税関を抜けられなくなった、仕方なく待つしかない。電車の時間が迫って来る。

私は税関を無事通貨。早足で新幹線駅に向かう。自動券売機で発券しているときに電車がホームに入って来る音が聞こえた。こういうときに限って定刻の運行だ。間に合うかもしれないと思って下りエスカレータまで行くと点検中のため、階段には降りる人と昇って来る人が溢れていて思うように降りられない。焦る気持を抑えながらホームに降りる。発車まで多少の余裕を残して乗り込めた。前の方の車両に行くと空いている。車内は暖かく、また発汗。

ケルンに近づくと雨が降り始めた。ただ、傘が必要な程ではなさそうだ。ケルン中央駅は相変わらず人が多い。電車に遅れそうなのか、走っている人もいて慌ただしい。駅前で10分程バスを待つ。一か月前は雪に覆われてたのに、いまはもうない。バスは定刻に来た。照明が暗いバスの中には、ケルンで生活する普通の人たちが乗っているのに、何だか映画を見ているような感じさえする。そんな不思議な錯覚を感じながら移動が終わった。

加筆訂正:2010年1月23日(日)

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