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還流独歩

奇数表示 2011.01.24

ドイツだけに当てはまるかどうか定かではないのだが、特に車の制限速度については奇数表示が実に多いと以前から思っていた。市街地は時速50km、郊外は100kmだが、70kmや90kmの表示も多い。アウトバーンの推奨速度は130kmである。その数字そのものは偶数なので、奇数表示というのは間違いなのだが、十の位以上が奇数であることが実に多い。だから、ここでは敢えてそれらを奇数表示ということにする。

その点、日本は偶数が好きだと思う。市街地は40kmだし、一般道の最高速度も60kmだ。高速道路は80kmとか100kmである。例外として30kmとか50kmもあるが、おそらく全体から見ると、その割合は少ないのではないかと勝手に思っている。もしかしたら、これは偶数の文化と言っても良いのかもしれない。数を数えるときに、にーしーろーはーというのと関係があるのだろうか。

それに対し、ドイツや欧州は奇数文化なのかもしれない。もちろん例外はある。思い出してみると、アウトバーンの工事区間といった減速が必要なところには、60kmとか80kmの表示が目につく。でも、それ以外は奇数表示であることが大半だ。その理由は何なのだろうと自問自答したところで、答えが見つかるわけでもない。少しだけインターネットで検索したが、明快な回答はすぐには見つからなかった。

話は少しずれるが、いつだったかレンタカーを借りたときに、偶然にもBMWを運転することができた。速度表示は偶数だったはずだが、その中心は130kmである。上述したように、アウトバーンの推奨速度が時速130kmだから、それを意図しているのだろう。そして実際に時速130kmで巡行すると、速度計とエンジンの回転数を示すタコメータの針が二つとも垂直に立った状態になる。遊び心を駆り立てる憎らしいほど粋な演出だ。

ということで、制限速度の表示を見るたびに、日本とは違うことを実感するのである。

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