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還流独歩

極東への旅 2011.01.28

19時前、成田空港から千歳行きに乗り換える。いつものように搭乗口からバスで飛行機に向かう。私は搭乗の締切直前に行ったので、どれくらいの人が乗るのかはわからなかったが、バスに乗ってから、その大半が海外からの旅行客だということがわかった。バスの中は英語や中国語が聞こえて賑やかだ。しかも英語を話す子供たちも多く、何だか日本に戻って来た感じがしない。

ちょうど一か月程前にこの便に乗ったときには空席が目立ったが、今日はほぼ満席である。私の隣りは中国から来た人らしい。キャビンアテンダントは飲み物を訊くとき、私に英語で話しかけて来た。海外からの人が多いから、そう問いかけざるを得ないのはよくわかる。長旅の人が多いからだろうか、離陸してからの機内はいたって静かで、寝ている人も多い。私も離陸前に睡魔を感じたが、途中からは逆に目が覚めてしまった。

良く言われるように、日本の地図に見慣れていると気がつかないが、欧州が中心に描かれている地図を見ると、日本は東端の最果ての国である。しかも北海道から先はアリューシャン列島が連なっているだけで、もはや海以外は何もない。そんな極東の島に、わざわざ海外からわやって来るというのは奇特なことだが、北海道が持つ豊かな自然を体験しに来てくれるとしたら、それは素直に有難いことでもある。

千歳に着いてから、この人たちは一体どこへ行くのだろうか。おそらく大抵の人は札幌方面に向かうと思われるが、そこは北海道のほんの一部でしかない。どの人も最果ての北国の旅を満喫して、たくさんの想い出を持ち帰る楽しい旅行になることを北海道生まれの一人として願ってやまない。

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