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還流独歩

感度良好 2011.01.31

月末の最終日、車で現場へ向かう。今朝は冷え込んでいて、氷点下7℃くらいだ。夜に降った雪が15cmほど積もったので、出発前に雪かきを済ませた。移動には時間がかかりそうだったので早めに出発する。苫小牧の手間まで来ると雪もなく路面が乾いていたが、車の外気温計が氷点下17℃を示している。登別を過ぎてからまた路面に雪が積もり始めた。

ラジオの交通情報を聞いていると、私の行く先で車3台が絡む交通事故が発生し、現在、事故処理中だと言う。これからちょうど通るところだとつぶやいているうちに、坂道を上って下り坂にさしかかったところで渋滞に出くわした。実についていないと思いつつ、エンジンを切って10分ほど待っただろうか。幸いにも動き始めた。

今日は現場の状況を確認し、内装や家具に関する打合せを行う。少し前に階段がついたため、二階への上り下りも楽になった。吹抜けに面した手摺の一部に読書机を設ける変更を行ったが、大工さんが上手くまとめてくれたお陰で、本を読んだり、作業ができる楽しい場所が生まれたのではないかと思う。

家具の打合せをしながら、設計時点で詰めきれなかったことに起因する問題点にもどかしさを感じるとともに、それとは裏腹に、やはりどんな設計でも現場がある程度進んだ時点で再考を求められるものだろうと思ったりもする。ほとんどの場合、それを避けて通ることはできないだろう。現場と設計は一体なのだ。

2時間近い打合せを終える頃には、いつの間にかお昼を過ぎていた。今日は少し早めに帰ろう。いつも快調に車を走らせる区間に入ってから何となく危険な予感が働いたので、少し減速しつつ路肩を凝視して走っていると、速度違反を検知するレーダーが目に入って来た。今日は月末の月曜だから、どこかで検問をやっているだろうという予感は当った。

念のため、さらに減速して時速50kmで通り過ぎた。左に目をやると、車を停止させるための大きな赤い旗を持った警官が少し身を屈めて立っていた。この寒い中、実にご苦労である。普段の調子で走っていたら、おそらくシビレる結果になっていただろう。打合せを終えて多少の疲れを感じてはいたが、そういう感度だけは妙に冴えていて助かった。

今日で、年明け最初の月が終わろうとしている。おそらく2月も瞬く間に過ぎて行くことになるのだろう。

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