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還流独歩

ナイフなしの食事 2011.02.10

箸の話が続いたので、その流れです。

外出先で時折、いわゆる洋食といわれる食事をすることがたまにある。例えばパスタやサラダといった、基本的には箸では食べない食事をするときのことなのだが、食べ始めるときに微妙に納得がいかないことが日本ではかなりの頻度で生じる。その理由は、手元に用意されているのがフォークのみで、ナイフがないからだ。パスタを食べるにのナイフが必要かどうかは別問題として、なぜかフォークしかないことが多分にある。

私は作法の蘊蓄(うんちく)を別にひけらかしたいわけではない。ただ食事のときに、ナイフとフォークは一対なものであるから、例えサラダだけであっても、フォークのみ出されると戸惑ってしまう。極端なことを言えば、箸一本で食事するのと同じくらい変なことに見えるからだ。食事の付け合わせにつく小皿に入ったサラダだって、フォークだけで食べるのはそう簡単ではない。いや、ナイフがなくても食べられるが、フォーク一本で食べるのは邪道だと私は思う。

補足しておくと、デザートのようなものは食事ではないから、フォークだけで食べても問題はないだろう。あるいはアイスクリームのように小さいスプーンが必要になることだってある。ただ、サラダなどをフォークだけで食べるのには問題がある気がするのだ。気取るつもりなど毛頭ないが、やはりナイフが欲しい。フォークだけで食べると、どうしても前屈みになってしまうのに対して、ナイフと併せて使えば食べやすくなるし、自然と姿勢が良くなると思う。

日本は箸の文化だから、ナイフとフォークについて、とやかく書くのは避けるべきなのかもしれないが、でもやっぱりフォークだけだと食べにくいし、それが気になってしまうので、格好をつけるということではなしに、ナイフも持って来てくれるよう、いつもお願いするのであった。

加筆訂正:2011年2月17日(木)

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