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水泳と算数 その2 2011.02.13

これは勘の良い方ならすぐに分かる話である。速い人は、遅い人が162.5m泳ぐ間にプールの往復の距離である50mを加えた212.5mを泳ぐだけである。遅い人は50mを1分で泳ぐので、162.5mを泳ぐ時間は、162.5m÷50m/分=3.25分である。速い人はこれと同じ時間で、212.5m泳ぐから、212.5m÷3.25分=65.4m/分と答えが求まる。さらに、これを50mの時間に換算すると、50m÷64.5m/分×60秒/分=45.9秒と算出することができる。

この問題の最も重要な点は、二人の位置が一緒になってから、次に追い抜かれるまでの間に、速い人がどれだけの距離を泳いでいるかということなのだが、単純な私は、倍の距離を泳いでいるような錯覚があった。つまり二倍の速さで泳いでいるのかと思ったのだが、絵を描いてよく考えたら、抜かされるまでの差はプールの往復の長さに過ぎない。遅い人が止っていようが、泳いでいようが、速い人が追いつくまでに新たに進んだ距離は50mでしかなのである。

ということで、その速い人は、私が上がってもまだ泳いでいたので、その速度を秒針のついた時計で確認しておいた。結果は50mで約45秒だった。私の実測と計算では約46秒だから、ほぼ合致することが証明されて少し嬉しかった。こんな問題を考えているくらいなら、他の作業を進めた方が遥かに良いと思ったが、普段はあまり使わない頭の別の部分を久しぶりに働かせた感じがして、何となく気分が良くなった。そんなことはともかく、この人と同じくらいの速さで泳げるようになりたいものである。

加筆訂正:2011年2月21日(月)

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