理念 建築 略歴 連絡
文章 視察 還流独歩 大福企画
還流独歩

教職課程 その1 2011.02.23

この間の週末のことだが、大学生のときに教育実習で知り合った友人と会った。経歴に書くほどのことではないし、ここで触れるのも恥ずかしいのだが、実は私は中学校と高等学校教諭の数学の一種免許状を持っている。といっても、すぐに数学の先生になれるわけではなく、教員試験を受ける資格があるだけの話で、取得してから何もしないまま20年が過ぎたから、その免状がいまでも有効なのかどうかまったくもってわからない。

あくまでも仮定の話だが、おそらく私学の連盟や団体が独自に行う試験などを受けて合格すれば、もしかしたら数学の先生になる道が開ける可能性もある。詳しく調べたわけではないし、そんな気などもないのだが、教壇に立つという生き方もあったかもしれないと思ったりするときもある。実際、大学を出てから教員になった友人が一人いる。しばらく連絡を取っていないが、きっといまも数学の先生を続けているだろう。

小中高の先生を目指すには、教育大学に進むという方法があるが、一般の大学でも教職課程を設けているところが多いはずだ。普通であれば、一般教養課程の必修の科目や、専門課程であっても誰もが受けなければならない授業が教職課程の単位として認められることが多いようだが、私が専攻していた建築学科はまったく違っていた。教職課程の取得に必要な32単位のほとんどが、一般の建築の授業ではなく、別途に履修が必要なものばかりであった。

例えば、設計などの科目は単位取得の対象にはならず、構造に進む学生だけが4年の最後に履修するような、構造力学(5)とか、振動工学(4)といった専門性が高すぎる科目の単位が必要だった。それにとどまらず、機械工学科とか電子工学科の学生が履修する別の数学の授業も受けなければならなかったから、ただでさえ卒論に忙しい大学4年の時期は、学生とはいえ本当に大変だった。建築学科にいるのに、一体何をしているのか自分でも良くわからなくなったこともあった。

« »