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還流独歩

最終調整 その1 2011.02.25

昨日、夕方の便で再び羽田から千歳に向かう。いつものように早朝に出発し、竣工前の現場の確認と最終調整を行う。現場にスウェーデン製の食器洗浄機を運び込み、設置を試みるが、アイランド型キッチンの底板と支持天板があるため、高さ方向が収まらないことがわかった。また洗浄機の背部の上に排水用のホースが固定されているため、手元にあった設計用の図面と奥行が違っていて、いくら押し込んでも数センチメートルほど前に出て来るので実に格好が悪い。そのホースを固定している樹脂系の固定器具には「Don’t remove」と書かれている。前もって受取っていた詳細図には、本体の奥行が580mmと書かれているのに、このホースのお陰で3cmも違っている。

幅と奥行がともに60cmもある業務用のような食器洗浄機を現場にいる男たちが取り囲む。建設会社の人、キッチンを制作してくれた人、給排水工事の人、電気工事の人、全部で8名くらいだろうか。幅は寸分違わず入るのだが、高さと奥行が問題だ。まず、高さに関しては、底板と天板を押さえる板を切ることにした。といっても、その作業は容易ではない。キッチンを固定している金具を外して、不要な部分を切り取る作業を行う。造ったものを壊すというのは忍びないが、致し方がない。設置要領書を良く読むと、邪魔だった背後のホースは、排水口までの長さが足りない場合は外しても良いと書かれている。だったら「外すな」ではなく「必要な場合には外しても良い」と書くべきだろう。

試行錯誤の上、巨大な食器洗浄機は、無事、収まることが確認できた。明日と明後日は完成見学会のため、残りの工事は中断せざるを得ないが、何とか格好だけはついた。シンクの排水金具が付いていないけれど、「排水設備設置中」などの紙を貼って乗り切ろう。最後まで残って給排水工事を行っていた方が作業を終えたのは20時半を回っていた。戸締まりを確認して21時過ぎに現場をあとにする。ここから2時間の道のりを帰り、明日の9時過ぎには、またここに戻って来る。現場も最後の追い込みに入り、気持が少し高ぶっているのか、車を運転していてもまったく眠くならない。夜の国道は空いていて流れも早い。最後の大切なこの時期、事故のないように気をつけたい。

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