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還流独歩

価値観の共有 2011.03.09

いろいろな人と一緒に仕事をさせてもらう中で何が一番重要かというと、僭越ながら、おそらく価値観の共有ではないかと思う。簡単に言えば、同じ方向に向かって動けるかどうかということだろう。建築に限らず、仕事を通じて、たくさんの方と出会う。先日竣工した住宅も、関係者の皆さんの協力が得られたからに他ならない。

正直なところ、途中で投げ出そうかと思ったことは何度もあった。もちろん本気でそうしようと思ったわけではないが、どうして良いかわからず、行き詰まったことは、一度や二度ではなかった。そのたびに適切な助言と、応援をしてくれる人がいた。その人たちのために作業をしてきたわけではないが、支えてくれる人がいるというのは有難いことである。

夕方,打合せを終えたあと、都内某所にて慰労会を行った。お世話になった建設会社の社長が、いまの事業を軌道に乗せるまで10年かかったと言う。私も渡独してから10年以上が過ぎ、こうして多くの方から声をかけて頂くことができるようになるまでの月日を考えると、その意味がとても良くわかる気がする。

そしてこれから先の10年を考えるとき、いままで築いてきたことを飛躍させると同時に、新しい何かを始めるべきなのかもしれないと思う。ただ、それらは、同じ価値観を有していないといけないだろうし、むしろそうならざるを得ないとも言える。美味しい料理を頂きながら、いろいろな話をしつつ、互いの方向性が同じであると感じられる夜だった。

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