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還流独歩

BREEの対応 その2 2011.04.06

「あの…、新しい鞄をもらえるのですか?」。「そうよ。でもここでは渡せないので、申し訳ないけれど買った店まで行って下さい」。そして彼女は修理依頼が書かれたノートを広げ、私が鞄を預けた日付を見つけると、ボールペンでぐりぐりと消し去った。そして「これはもう要らないわね」と言って、私が持参した修理引換証を目の前で破り捨てた。

新しい鞄がすぐもらえるとは思ってもいなかったので、私は嬉しい動揺を隠せなかった。お姉さんに引換証を引き裂かれたのも気持が良かった。そしてすぐに徒歩10分もかからない別の店舗に行った。中にいた女性に「いま電話があったと思うのですが…、鞄を受取れますでしょうか」と言うと、「もちろんできますわよ…」と笑顔で返された。

私の新しい鞄は、奥の倉庫からすぐに出て来た。そしてその女性は、今日の日付のレシートを新しく出し直して、保証期間も新たに今日から二年間になると教えてくれた。BREEの実に素晴らしい対応に素直に感激である。いや、当然のことなのかもしれないけれど、久しぶりに予想外の嬉しい展開を体験し、そして奇麗な新しい鞄を見て私の心は弾んだ。

と喜びを感じつつ、別に白けさせるつもりはなのだが、私はBREEの愛好者ではないし、鞄もそれほどたくさん持っているわけでもない。ただ、欲しいと思えるような鞄を探し始めると、最終的にBREEに行き着いてしまうことが多いだけの話なのである。でも、こうした親切な対応をしてもらえると、顧客の信頼度が高まることは確かであろう。

もしまた壊れてしまったら、もう一度修理に出せばいい。新しい鞄を見ながら、そう思うのであった。

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