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電気料金の徴収方法 その1 2011.04.11

ケルンでの電気料金の徴収方法を紹介したい。この方式がドイツ全国にあてはまるかどうかはわからないが、おそらくどこでも同じような方法がとられているのではないかと思う。

新居に入居したら、まず電力会社に電話し、住所を告げる。そして電力計の番号を伝える。すると、どのような家電製品があるのか質問をされる。台所の調理器具はガスか電気コンロか、オーブンはあるか、給湯方法はどういった形式のものか訊かれる。ドイツの電圧は220Vだから電気で水を温めるのが早い。日本のアパートなどでは、ガスをつかった給湯器がよく用いられているが、それと同じように、ドイツでは電気式の瞬間給湯器が多く使われている。

それ以外では、冷蔵庫の大きさ、テレビの台数、ラジオ、コンピュータの有無の他、住居のおおよその大きさや、何人で住むのかというようなことも訊かれた気がする。そして最後に「あなたの住まいの状況から判断すると、毎月35EURの支払いをお願い致します」と言われた。毎月支払わなければならない電気料金が電話での質問を通じて、一方的に決められるのである。後日、口座振替の手続きが完了すると、毎月、その額が自動的に引き落とされて行く。

最初に指定された額を支払う月数は11か月で、検針は年一回しか行われない。12か月目に一度来るだけである。そこで年間の費用調整が行われる。そして、年間の支払い総額よりも実際に使った電気代の方が多くなる場合には追加料金を支払う。逆の場合は、超過額分が翌年度に繰越しされ、それが相殺されるまで引落としが延期されることになる。例えば、毎月25EURを11か月支払うと275EURとなるが、実際の料金が250EURだった場合は、翌年度の最初の月の支払いが免除となる。

翌年度の毎月の支払い額は、前の年の一年間の電力使用量によって決められる。つまり毎月の支払いが、25EURでは足りなかった場合は、年間の精算書に、新年度の電気代として、例えば毎月30EURを引き落とす旨の通知が来る。一方、支払った総額に対して実際の使用量が少なかった場合には減らされる。私の初年度の月額料金は35EURだったが、その後、27、23EURと年々減少し、いまは20EURで据え置かれたままになっている。

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