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還流独歩

自動車の色 2011.04.10

2か月ほど前の2月20日に「白い車」について書いた。といっても、日本で見かける白のメルセデス・ベンツが気になるという程度の話である。そしてこの一か月、ケルンで外出するたびに白い車を探し始めた。結論から先に言うと、高級車の部類に入るメルセデス・ベンツやBMW、あるいはアウディといった車でも、意外と白色を見かけるということがわかった。日本の街を走る白のメルセデスに、どうも違和感があるようなことを書いたものの、これまでドイツで意識したことがなかっただけのことなのかもしれない。

ともかく、まずは街中に停まっている自動車の中に、白い車が何台あるか数えてみることにした。他の欧州の都市と同じで、人口密度の高いケルンも路上駐車が一般的だから、歩きながらでも相当な数を目にすることができる。ケルン市内のあちこちで歩いたり、あるいはバスの中から数えてみたところ、本当に大雑把ながら、少なくとも30台に1台程度は白い車であることがわかってきた。もちろん、30台で2台見かけることもあるから、標本数としては極めて足りないものの、白い車の割合は粗く見積もって5%前後ではないかと思われる。

その中で、一つ特徴を挙げるとすると、白い車は会社名が入っている営業車が多いということだ。下地が白だと宣伝広告も目立つということなのだろう。特に配管や電気工事といった会社の車は白が多い。一方、自家用車となると白以外の車ばかりが目立ち、白は少数派である。友人が言うには、汚れの目立たないシルバーは根強い人気があり、中古車市場での査定も良いらしい。実際、彼の父も新車をシルバーにしたそうだ。しかも最近の警察の車や市の公用車などは淡い銀色が使われているのも、そういう理由なのだろう。

話を戻すと、白い色のメルセデス・ベンツやBMWは、どこでも見かけるほどは多くない。ドイツでも、かなり少いと見るべきだろう。ただ、これは私の単なる思い込みなのだが、最近、白い車が増えて来ているような気もするのである。自動車会社の宣伝の影響なのか、あるいはそういう傾向にあるのかはわからない。スポーツカーであれば、黄色や赤といった原色が似合うのと同じように、白い高級車も悪くないのかもしれない。いずれにしろ、純白のメルセデスに限っていうと、ドイツの人も日本の人も憧れがあるということにしておこうと思うのである。

加筆訂正:2011年7月25日(月)

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