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還流独歩

デュッセルドルフで英独日 2011.04.13

夕べ、頂いている仕事の関係で、ケルンから40kmほど北に位置するデュッセルドルフに一泊した。日本人が多い街として知られ、現地では「日本の植民地」と呼ばれている。日本領事館もあるし、日本の企業も日本食料理店も数多くあること、インマーマンシュトラーセが日本人通りと言われていることなど、敢えてここで触れる必要もないだろう。

そして、地元の人にとっては語ることさえ野暮に思えるような周知の事実がある。それはケルンとデュッセルドルフの間に、見えない壁が存在することである。まず、飲んでいるビールが違う。カーニバルのときの掛け声も違う。街の中心部がライン川を挟んで違う位置にある。どちらが正しいかなど明快過ぎて答えを書く気にもならない。

それはともかく、ライン川の反対側の街で、日本に拠点を構える二人のデザイナーにお会いする機会を頂いた。その色からして足を洗うためのビールだとケルンの人から激しく虚仮(こけ)にされているアルトビアを飲みながら、初めてお会いするにもかかわらず、いろいろな話をさせてもらった。ちなみにアルトビアは決して不味くはない。

互いの背景や日本で起きていること、両国の違いや特徴について意見交換をする中で、共感できることが数多くあることがわかった。また、デザイナーという領域を超えて、私の知らない分野についても精通しているから、非常に勉強になったし、良い意味での刺激をたくさん頂くことができ、本当に有意義な機会となった。感謝である。

そのあと別の方と合流し、そのままデュッセルドルフに宿泊した。今朝は9時から、某企業で打合せである。お会いするのは、先月、私が東京にいるときに、深夜にドイツから電話をかけて来た方である。電話の様子と同じで、非常に気さくな雰囲気を持っているので、こういった方との打合せはとても進めやすい。

最初は導入として、これまでの流れや背景的なことを確認しつつ、打合せは本題に入って行く。最初はドイツ語で私が通訳していたが、英語が堪能の方がいらっしゃったので、次第に英語が中心になって行く。私は英語では打合せできないが、聞いている分には、おおよそのことがわかるので、ドイツ語や日本語を交えて確認したりもした。

約2時間近い打合せは、終止、和やかな雰囲気で進み、大きな示唆を得ることができたように思う。そうして、こういった機会を頂くたびに、英語も勉強した方が良いと痛切に感じてしまう。以前は、ドイツ語と英語の切換えがまったくできなかったが、おそらく慣れの問題なので、英語にも挑戦してみようかと思う。

今日は午後にも打合せを入れる予定だったが、時間的な問題もあり、午前だけで終わった。そのままデュッセルドルフ中央駅から電車でケルンへ戻る。短い時間だったが、新しい出会いの機会も頂いたし、充実した打合せもできたので、また気持が前向きになった気がする。

加筆訂正:2011年4月18日(月)

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