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還流独歩

28℃な週末 その2 2011.05.08

天気が良いので、雑用を済ませたあと別の居酒屋に中継を見に行く。後半もケルンが試合を優位に進めるが、何度もオフサイドを取られて追加得点が奪えない。その度に歓声が街の中に響き渡るので自然と人が集まって来る。ロスタイムに入って、ポドルスキがゴール脇へ攻めたとき、キーパーが接触してペナルティキックを獲得。

ポドルスキが軽めに蹴ったボールはゴールの右隅に入り、試合はそのまま終了。最終戦の一つ前の試合で、ようやく一部リーグ残留を決めることができた。負けたフランクフルトは、二部リーグへの降格の可能性が高くなった。近くのビアホールへ行くと、天気が良いからみんな外でビールを立ち飲みしている。

一杯くらい飲もうかと思ったが、自宅に戻って購入した鞄を梱包する。地下室に置いてあった段ボール箱を切って鞄の大きさに合うようにした。ドイツのガムテープは縦方向に切れやすくできているから本当に使いづらい。梱包をしているだけで汗が出て来る。そのあとドラッグストアで買ったお土産も奇麗に包んだ。

それから今日撮った写真をすぐに整理し、書きかけている原稿に手を加えたりしていると、一日が瞬く間に過ぎて行く。日もかなり長くなり、夜9時を過ぎてもまだ明るい。ようやく暗くなった10時頃、また花火のような音が聞こえて来たので、バルコニーに出てみると、ライン川の方で打ち上げ花火が上がっている。その花火を見て土曜が終わった。

翌日曜も朝から晴天が広がっている。また泳ぎにいったあと、書類の片付けと原稿の手直しを行う。夏のような陽気の中、家の中にいるのは実にもったいない。夕方少し前、昨日、写真を撮りに行こうと思っていた改修工事現場に向かう。気温が高く、少し歩くだけで額に汗が滲んで来る。ライン川は散策を楽しむ人たちで賑わいを見せている。

少しだけ撮影してすぐに戻ろうかと思ったが、せっかくなので、逆方向へ歩いて遠回りをして帰ることにする。ライン川を挟んだ旧市街の反対側にあるホテルのテラスは、太陽を満喫しながらビールを飲む人たちで埋め尽くされている。ライン川のかかるホーエンツォレルン橋は、歩いて渡る人で混雑する中を自転車で通り抜ける人もいてゆっくりしか進めない。

大聖堂の脇では大道芸人の前に人が集まっている。ライン川沿いの芝生には、寝そべって太陽を浴びている人や、ベンチに腰掛け、何をするでもなく行き交う人と景色を見ながら話しこんでいる家族連れがたくさんいる。実に正しいドイツの休日である。再開発地区を抜ける頃には、少し雲が出て来たが、それでも吹く風が心地良い。

部屋に戻り、撮った写真をまたすぐに整理しつつ、明日からの作業を確認しているうちに週末が終わった。日本も大型連休が終わるので、月曜は朝から少し忙しくなるかもしれない。

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