理念 建築 略歴 連絡
文章 視察 還流独歩 大福企画
還流独歩

雨降り日曜 2011.05.29

梅雨に入り、昨日から弱い雨が降り続いている。夕方、机の上の書類を整理していたら、いつの間にか水滴がついている。もしやと思い天井を見ると、濡れている部分がある。久しぶりの雨漏りだ。前にも書いたが、雨が北から吹き付ける時間が長いと、この事務所は雨漏りしてしまうのである。でもそれを承知で借りているし、その程度のことなど大して気にもならない。雨漏りする事務所なんて、日本中探しても、そうたくさんはないだろうし、滅多に借りられるものではないから、これは逆の意味で幸せなことなのかもしれない。

雨は地球の大切な営みの一つである。雨がなかったら地球は成り立たない。植物も生き物も生きては行けないし、人間だって同じだ。陽射しを雨のどちらが好きかと訊かれたら、大抵の人は前者を選ぶと思う。もちろん中には雨の良さを感じている人もいるだろうから、一概に決めつけることはできないけれど、雨が降るお陰で多くの生命が成り立っているという大切な視点を見失わないでいたい。

雨や水は、長い年月を経て、地球をデザインして来た。エネクスレインという名前に雨を入れたのも、この事務所が雨漏りすることももちろんだが、地球という惑星には水があって、そして雨が降るという実にあたり前のように感じられることの大切さを、ずっと意識して行きたいと思ったからである。日曜の午後に、静かに降る雨の音を聞くと、そんなことに思いを馳せてしまうのである。

« »