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還流独歩

日付の書き方 2011.05.30

これまで多くの方が、数限りなく話題にしてきたと思われる日付の書き方について触れてみたい。

日本での日付の書き方は、西暦、または平成年のあとに、月日の順である。日本にいる限り、これに疑問を抱くことはないし、その順序を崩すことも、ほどんどあり得ないだろう。年月日の順が最もわかりやすいと私も思っている。

一方、ドイツは、日本とはまったく逆で、日月年の順である。今日、5月30日は、スラッシュを使って30/05/2011と表記したり、ピリオドを使って30.05.2011と書く。あるいは30.5.2011のように、十の位の0が省略されることもある。

細かいことに触れると、日と月の後ろにはピリオドを付けるが年の後ろには付けない。その理由は、日と月を数字で表記するのは、文字表記を省略したものとみなされるからである。これは意外と重要なのだ。

例えば、ドイツの正記法ではTel.のようにピリオドを付けることになっている。それはTelefonの省略だからである。ゆえにFaxという一単語の場合はピリオドは付けない。ただし最近は、そこまで細かくない場合もある。

話が逸れてしまったが、ドイツでは、なぜ日月年の順で書くのだろうか。まったくもって理解に苦しむ。それを指摘するなら、英語圏の月日年の順も、これまた実に奇妙である。しかも日付の後ろに「th」とかを付けるのも気になる。

ドイツと同じように、日付を日月年の順で表記する国は欧州に多いと思われる。それは国境での旅券の確認を行なわないというシェンゲン協定に加盟している国は、同じ表記にしているからのようだ。

その一方で、コンピュータの普及により、ファイル名には日本と同じように月年日を使う場合も多いようだ。その方が日付順に並べられて便利である。ケルン市交通局の切符も年月日と表記をしているのを見たことがある。

それにしても例外はアメリカ式だ。日本の表記が一番わかりやすく、大きく譲ったとしても、次に欧州式が来るとして、アメリカ式の月日年は、どうも頂けない。前にも書いたけれど、時間の「am/pm」表記も特異である。

頂いた名刺に日付を書き込むとき、いつもそのことを考えてしまうのである。

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