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還流独歩

家庭での電力消費量 2011.06.04

研究室の4年生は、他にも自分たちの家庭での電力消費量を調べていた。毎日、23時に電力計を自ら検針し、家庭によって、どの程度の差があるのか、そしてその原因はどこにあるのかを探ることである。実測は4月中旬に、約一週間に渡って行なわれた。その結果もまた、実に興味深い内容であった。

結論を先に言うと、おおよそ3人家族の場合、家にいてもいなくても、一人当たり、昼も夜も常に約100Wを消費しており、例えば5人家族で、祖父母が常に家にいて、日中も比較的テレビを見ているような家庭においては、その倍の200W程度を必要としていることがわかった。

これを家族単位で考えると、3人で約300W、家にいる時間が長い人がいる5人家族では、1.0kWの電力消費を常に消費しているということである。1.0kWというのは、500Wの電気ストーブが2台分であり、言い換えれば、一般的な電子レンジや炊飯器が、5人家族の中で、1日24時間ずっと稼働していることを示している。

これらの値は決して小さくはないだろう。同席していた論文博士課程に在籍している後輩は、これらの結果が、他の家庭にも、おおよそ当てはまるであろうことを補足してくれたので、おそらく一般的な3人から5人程度の家庭の電力消費量も、多少の違いはあれど、ほぼ同様だと推測される。

いま、各家庭でも節電への取組みが取り沙汰されているが、まずはどの程度の電力を消費しているかを把握することこそ、最初に行なうべきではないかと思われる。それは、家庭に限ったことではないはずだ。小さな会社でも、大企業でも、どこにどれくらいの電力が投入されているかがわかれば、節電の仕方も変わって来ると思うのである。

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