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還流独歩

6月半ばの1日 2011.06.14

朝3時過ぎ、何だか眠れずに目が覚めて、少し作業をする。一旦、仮眠のような状態に戻り、それから訪問予定のドイツ企業との調整を行なう。担当の方の留守番電話に伝言を入れ、平行してメールも送りつつ、その進捗状況を日本の企業に適宜連絡をする。時差があるので、欧州が朝9時でも日本は16時だから、どうしても気が急いてしまう。

それから、学生のときに在籍していた研究室関係者用の情報網を立ち上げたので、その管理も少し行なう。これは研究室と卒業生の間での情報交換を迅速に行なうためのもので、ここ数か月、一部の間で活発な意見交換を行なっていたことから、それをさらに広めて情報を共有しようという試みである。今日も何名かから参加があった。

先日訪問した建設会社の方に礼状を書き、請求書などを作成しながら、その合間に気がついた作業を入れていると、すぐに昼になってしまう。主に頂いている作業や、自分でやりたいと思っていることを、ともかく紙に書き出すと、十数項目にもなって、実に気が重い。そんなことは言ってられないのだが、身体は一つだ。

午後になって、訪問の打診をしていた企業の方から折り返しの電話が来た。こちらが望んでいた通り、今週金曜に会えることになった。実に有難い。早速、日本に連絡を入れて、何度か確認を取り合う。その後、某調査業務を継続し、少し行き詰まると、それとは関係ない図面を少し書き始め、ときに想い出したようにメールを書く。

他にも明後日の予定について、今度は別のドイツ企業からメールが入って来たので、そのやり取りを済ませる。メールを送って来た方に返信したら、明日まで不在だという自動返信が返って来た。一体、どこからどうやって連絡して来たのだろうか。その行程を見て、木曜の大雑把な行程を組み、行き先を確認していたら、夕方が近づいて来た。

日本から持って来た資料や、ドイツの友人が送ってくれたウェブサイトの情報、それから先月ベルリンで、メルケル首相が某協会の125周年を祝う式典で行なった挨拶の動画を見ながら、なるほどと思いつつ、時折、聞き取れないところも多々あって、集中力が次第に落ちて行くのがわかる。

原稿も書かなくてはいけないし、先日、ハンブルクへ行ったときの写真の整理も終わっていない。新たな構想の方向性にも手をつけたいし、ドイツの不動産事情や資産価値の仕組みについても、税法上の問題からいろいろと探ってみたいとは思うのだが、どうも手早くは進められないのである。

そういえば、何年か前に知り合ったベルリンの編集者の方が、「greenbuilding」という雑誌を送ってくれていたのを想い出した。確かベルリンのテーゲル空港が、いま建設されているショーネフェルト空港に移転したあとの、閉鎖された空港跡地をどうするかの記事が出ていた。他にも気になる建築が紹介されている。

夕方、近くのスーパーマーケットへ買物に出かけたら、その手前まで来た時点で、お金をまったく持っていないことに気づいた。ドイツは銀行のカードで買物ができるが、それも家に置いて来たままだ。仕方なく、お金を取りに一旦戻った。樹脂系のゴミを出そうとして、そちらにだけ気が行ってしまったようだ。

買物を済ませて帰ると、もう1日が終わりである。

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