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ドイツの物価 その2 2011.07.10

よく考えると、値上がりしたのはスーパーで買う食料品ではなく、いわゆる外で食べるものが高くなったのではないかと思う。トルコ料理のケバブは、10年前には3.5マルクとか、高くても4マルクくらいだったが、いまはその数字がユーロに変わっただけのところが多い。つまり、倍になったのである。マルクからユーロに変わった頃、いわゆる便乗値上げが横行し、何でも高くなった印象があった。

マルクからユーロの換算は、0.51だったから、1ドイツマルクは0.5ユーロというように半分に換算するので楽であった。しかし、細かく言うと、2マルクは1.02ユーロになってしまうので、切りが良いように、1.05とか、1.10ユーロに値上がりするのは時間の問題だった。たまに行くビアホールのケルシュビアは、2.10マルクだったから、最初は1.07ユーロになった。しっかり0.51を掛けるところが清々しいが、いまは1.55ユーロだから、約1.5倍に値上げである。

だから実際には、10年前の1.5倍くらいなのかもしれないが、少し大袈裟に言えば、以前、1マルクだったものが、いまは倍の1ユーロになった感覚がある。ケルン市交通局の乗車券も、完全に10年前の1.5倍になっている。私がケルンに来た頃は、4つ先の駅までの短区間の切符が2.20マルクだった。それがいまや1.70ユーロである。つまり、10年前に1.10ユーロだった切符が、いまや150%増になっている。もはや値上がり気分は200%だ。

ともかく、ドイツも物価が高くなったとはいえ、それでも日本に比べたら格段に安いと思う。それは日本円がまだ高いからだろう。何年か前、1ユーロが170円くらいまで上がったときがあった。欧州に来て買物をして、免税手続きをしても割安感がないという状況であった。いまは115円前後で推移しているから、ドイツの物価が安く感じるが、もし借りに、1ユーロが200円になったとしても、まだ日本の高さには追いつけないかもしれない。

その中で、日本よりも高いものといえば何だろうか。思いつくものとしては、某ハンバーガーとかアイスクリームだろうか。私は「ハンバーグ」は食べても、「ハンバーガー」は食べないので、最近、いくらくらいするのか知らないが、多分、日本よりも少し高いと思う。普通のアイスクリームも2ユーロくらいするので200円以上だ。普段、それほど食べないが、アイスクリームは侮れないのである。

例えば、他の公共交通機関なども比較したいと思うが、それを始めると切りがないので、今回は食料品に関して再考してみた。高くなったとはいえ、ドイツの物価は、まだまだ安いと思うのである。

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