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還流独歩

書くという表現方法 2011.09.02

この環流独歩を書き始めてから2年が過ぎた。これまで何度か書いて来たように、こういった方法で、自分の意見を発信することが果たして良いのかどうかという根本的な疑問を抱えつつ書き続けて来てしまった。

書くという作業は、言いたいことを的確に伝えるための一つの訓練みたいなものだと思っている。思いついたことを整理し、並べ替え、そして無駄を削ぎ落して行く過程は、もしかしたら設計に似ているのかもしれない。

書くことを生業にしている人の中には、報道機関のように、多くの情報をたくさんの人に、わかりやすく伝えることを最優先にしていることもあれば、小説家のように独創性と表現力が求められる世界もある。

業界紙や大衆雑誌では求められることもまた違って来るだろうし、あるいは論文のように、事実を冷静に捉えて、それを客観的な表現で表すことが必要になる場合もある。そこには抜きん出た表現力は重要ではない。

その一方で、人々を感動させたり、唸らせたりする文章を書く人がいる。才能と呼べる素質を最初から持っている人もいるだろうし、また書くという作業を続けることで、その能力が養われて行くこともあるだろう。

この先、私が書くこと中心とした生活を始めるつもりはないが、ここで書き続けることは何かの役に立っているのではないかと考えているし、また何か新しいことにつながる可能性もまったくないとはいえない。

もちろん、それはあくまで希望的観測なだけで何の保証もないけれど、書いている内容は、設計を行なうときの方向性を決めたり、何か判断を下すための材料になることは間違いないと思う。

この2年間に書いた自分の文章を見直してみると、納得の行かない内容が多々ありつつも、それなりにいろいろなことを綴って来たと自分なりに感じている。人はそれを自己満足と言う。それはわかっている。

それでも構わない。思いつくまま、謙虚な気持で自由に書き綴りながら、書いたことを設計に活かし、設計や建築環境学についても、もっとたくさん書いて行きたいと思っている。それは自分というものを表現する一つの方法だ。

と格好の良いことを言いながら、一年前も書いたように、いつまで続けられるかわからないけれど、気が済むまで継続してみようかと思っているので、今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。

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