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還流独歩

建築士定期講習 2011.09.16

先週に引き続いて、また講習を受けた。前回は「管理建築士」の講習で、今日は「建築士の定期講習」である。前者の「管理建築士講習」は一度受けるだけで良いが、今回の建築士の方は、三年に一度、受講することが義務づけられている。少々言わせて頂きたいのは、その対象者である。建築士講習を受ける義務があるのは、「建築士事務所に所属し、設計業務に従事している者」に限られている。つまり、建築士の資格を持っていても、例えば、大学の先生や、不動産会社の営業職、あるいはまったく違う職業に就いている人は受講義務がない。

建築士の資格を持ちながら、設計業務に携わっていない人は講習が免除で、普段から設計の仕事をしている人だけが対象というのは、例の構造計算書偽装事件が発端となり、設計に携わっている者は悪いことをするのではないかという深い疑念を一般社会の人たちに植え付けることになったからに他ならない。それ以来、確認申請業務が厳格化され、設計事務所と建築士に対する締め付けも厳しくなり、そしてこういった講習の義務が押し付けられる結果となった。ただでさえ忙しいのに、時間とお金を必要とする本当に迷惑な話である。

さらに納得が行かないのは、講習を開催する機関によって、金額や申込方法、そして開催間隔も異なることである。もちろん、安いところで受ければ良いのだから、選択の幅が広がったと前向きに考えることも可能だが、何だか腑に落ちない。ある機関の場合、申込用紙は郵送してもらうか、事務局に受取りに行く必要がある。郵送代は有料だし、取りに行くとしても交通費がかかる。時間を考えたら送ってもらった方が早いに決まっている。おまけに、受講料が一番高いと来た。申込用紙など、他の機関と同様に、インターネット上で落し込めるようにすべきだろう。

いま、こういった現状が設計事務所を取り巻いている。建築士に対して、いまも良い印象を持ってくれている人がいるとしたら心から有難いと思うが、実際はどうなのだろうか。今日の講習には200名近くが参加し、他の機関でも、かなりの回数が開催されているようだ。会場にいる年齢層にも幅がある多くの人たちを見ていると、星の数ほどとは言わないが、建築士の多さに対し、その一人として何ともいえない複雑な気持ちが沸いて来たりする。そして丸一日、講習を受けることによる時間の損失と作業の停止は、全員で考えれば、かなり大きくなるはずだ。

なお、今日の講習の内容は以下の通りであった。

■講習の内容
1限目 – 90分:建築士法 
2限目 – 60分:建築基準法  
3限目 – 60分:その他関係法令の改正等
4限目 – 90分:最近の技術動向と建築・環境
5限目 – 60分:修了考査 全40問筆記試験(正誤択一式)

上記の一部は、先週受けた「管理建築士」の内容と重複しており、長時間の講習はとても辛かったが、仕方がないと気持を切替えた。そして、最後に行なわれる40問に及ぶ修了考査も、おそらく問題ないと思う。少し気が早いが、これに合格すれば、次回の講習は、2015年の3月末までに受けなければならないことになる。3年先ののことはわからないが、これも一つの目標と考えて、これからも着実に歩んで行けたらと思っている。

加筆訂正:2011年9月21日(水)

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