理念 建築 略歴 連絡
文章 視察 還流独歩 大福企画
還流独歩

地下鉄で原稿完成 2011.09.21

朝から雨が降ったり止んだりの天気が続いている。午後になって、台風が浜松市に上陸したとの情報が入る。少し遅めの昼ご飯を食べに出るが、風は少し強いものの、雨の降り方は、それほどひどくはない。夕方、所用で出かける用事ができてしまったのだが、地下鉄が運休するような事態もあり得るのではないかとの予感があった。案の定、地下鉄の運行状況が次第に怪しくなって行く。

半蔵門線は、中央林間方面へも伊勢崎方面へも直通運転を見合わせて、渋谷と押上間で折り返し運転をしているし、東西線と千代田線は運休状態のようだ。銀座線も渋谷駅が封鎖されていて、表参道が終点となっている。どうにかすれば帰ることができるとは思ったが、台風は夜9時には関東を抜けそうなので、運転再開を電車の中で待ちつつ、明日締切の原稿を仕上げてしまうことにした。台風が来ているというのだから許してもらおう。

原稿といっても、母校の建築学科が関係する季刊誌への寄稿だから、それほど堅苦しい内容にする必要はない。しかも先月訪れた四国の研修旅行について書けば良いので気分的に楽である。さらに、この環流独歩に旅行記を書き込んであるので、下書きはほとんど終えているのと同じだから、文章を整える作業だけで良い。だからといって気は抜けないが、都内の地下鉄を移動している間に原稿は順調に進んで行く。

渋谷駅のホームには、運転再開を待つ人たちで溢れているものの、それほど混乱している様子はない。折り返し運転の地下鉄もそれほど混んでいないので、すぐに座れる。書くという作業は集中と非集中が交錯する。他の仕事も同じかもしれないが、その点、電車の中というのは、文章を書くのに実に適した場所ではないかと改めて感じる。結局、地下鉄の中で原稿はほぼ完成した。明日の締切前に仕上がって気持が一気に楽になった。

夜9時過ぎ、地下鉄から外へ出てみると雨は上がっていた。風もほとんど吹いていない。台風が過ぎたあとの何となく生ぬるさとけだるさが残る中、まわりの居酒屋には雨が上がるのを待っていたかのように、普段と変わりなく人が入っている。先月だっただろうか、確か台風が過ぎ去ったときに、夏の終わりのようなことを書いたが、そのあと残暑がしっかり戻って来てしまった。9月も下旬に入ったのだから、そろそろ本格的な秋の訪れが来てほしいものである。

加筆訂正:2011年10月17日(月)

« »