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還流独歩

3時間遅れの出発 その1 2011.10.02

夕べ、日付が変わる頃に就寝し、2時起床。いつものように、ほとんど寝ていない状況のまま出発の準備を始める。前日に用意を済ませておけば、もう少し長く寝られるのに、どうしてもそうできないのである。かなり寝ぼけた状態のまま、部屋の片付けと荷物のまとめを平行して行なう。これから寒くなるので、冬物の服がかさばるのが厄介だが、それでも4時過ぎには、ほとんど終えることができた。最後は床を水拭きして完了である。

これでようやく気持に余裕ができた。出発前の緊張感と、準備を終えた後の安堵感が入り交じる明け方のこの時間が実はとても好きだったりする。まだ時間的な余裕が少しあるので、5時前に買物に出る。外はまだ暗い。即席ラーメンなどの重さ的に軽い日本食を調達しつつ、勢い余って500mlの醤油を買ってしまった。ドイツで買うと高いとはいえ、こんなことは初めてである。すべて入れ込んで、スーツケースを持ち上げたら25kgはありそうだ。

今朝は涼しいくらいの気温だが、地下鉄の構内は暑い。Tシャツなのに、いつものように少し動いただけで汗をかいてしまった。上野発、6時半のスカイライナーに乗る。車内は半分くらい埋まっているだろうか。空港には定刻に到着した。しかし、ここからが長かった。ドイツからの到着機が遅れ、出発は予定より2時間半後の12時に変更だという。早起きの意味がまったくなくなってしまったが、これも致し方ない。

搭乗手続きのカウンターの前には、かなり長い列ができている。周りからドイツ語が聞こえて来る。「出発が12時に変更だってさ」「ええ!?」「定刻の到着は何時?」「14時20分だったかな」「これだと、乗り継ぐ飛行機がないかも…」。確かにその通りである。私はフランクフルトから電車だから良いが、飛行機の乗り継ぎは大変だ。ドイツ国内ならまだ電車での移動に切替えることもできるが、ドイツ国外へ飛ぶ人はどうなるのだろう。

そして、並び始めてから搭乗券を手にするまで50分もかかった。前回、荷物がフランクフルト空港内ではなく、ドイツ鉄道の方まで持って行かれて、40分近く待たされたので、今回は空港内で受取りたいと言ったら、その先の電車の区間の発券ができなくなると窓口の女性から返された。これまで何度かお願いしているから問題ないはずだと伝えると、あちこちに電話をし始めた。こんなことで待たされるなら、駅での受取りにしてもらって構わないと念も押した。

結局、空港内で受取れることになったのだが、その女性は「今回に限って賜ります」と言う。何とも難しい話だ。そんな風に言われると、何か理不尽なことを強要しているようにさえ感じてしまう。フランクフルトからの乗換先が、ケルンやシュトゥットガルトの場合、ICE新幹線にAIRail/エアレイルというルフトハンザの専用車両が連結されているから、今回のような要望は、通常では受け入れられない可能性もあるとはいえ、複雑な気持が残る。

A380への搭乗は、予定よりもさらに遅れて11時50分頃から始まり、定刻より3時間近く経ってから駐機場を離れた。エコノミーはほぼ満席に近い状態だが、私の隣りの席は運良く空いていた。さらにその隣りの2席には、バルセロナを中心とした旅行案内書を持ったご夫妻らしき二人が座っている。スペインへ旅行か。いいなあ。フランクフルトを経由して、他国に移動する人がたくさんいるに違いない。飛行機の接続に問題がないことを祈る。

そういえば搭乗手続きのときに、出発が遅れたということで、空港内のレストランで使える1000円の割引券を渡してくれた。でも結局、使わなかった。お土産といった商品にも充当できるのか確かめれば良かったと少し後悔した。それから肝心の預けた荷物の重量は24.3kgであった。25kgくらいという私の腕の重量感覚は、かなり鋭いことが今回も証明された。前回は超過料金を徴収されそうになって大変な目に合ったが、今回は何も問題はなかった。

加筆訂正:2011年12月1日(木)

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