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還流独歩

3時間遅れの出発 その2 2011.10.03

それに関する後日談だが、23kgを2つ預けられるのに、一つで32kgは認められない理由について、ルフトハンザに確認してみたところ、空港で荷物を扱う人たちヘの人体的負荷の軽減が目的らしい。他の航空会社も、この流れに追従する方向だということも聞いた。あくまでも個人的な意見として言わせてもらうと、二つの荷物を30kgと15kgというように分けることを許容してもらえると非常に助かるのだが、それだと意味がないのだろう。

一つだけ指摘したいことは、23kgの荷物を一人で二つ運ぶことが可能かどうかということだ。カートに乗せれば運べるが、では空港まで一体、どうやって運んで来るのだろう。20kg近いスーツケースを二つ持って、バスや地下鉄に乗って持ち運ぶというのは、それほど容易ではない。おそらく空港までタクシーを使う以外に方法はない気がするのだが、実際どうなのだろうか。そんな疑念が渦巻いてしまう。

話を機内食に変えよう。冒険というほどではないが、今回も菜食的食事にしてみた。ただ、東京発の場合、どうも失敗であった。というのは、どれもあまり味がしなかったからだ。主食は半分がご飯で、残りはトウモロコシ、トマト、インゲン豆、シメジの蒸し焼きが添えてあるだけで、深い味がまったくない。胡椒と塩をかけたくなったが、どこにも見当たらない。隣りの隣りでカツ丼を食べている女性が微妙に羨ましい。

単に日本発の菜食主義的機内食はどんなものか試してみたかっただけのことなので、どうということはないが、食べ終わった感想は「軽過ぎた」ということである。サラダも二つあって、まさにサラダ1とサラダ2というように、少し違う野菜が二つに分かれていただけだった。あとはパンと果物である。マーガリンがあったので開けてみたら色が白い。パンに塗って食べたら、何だかかなり昔に給食のときに食べたような記憶が蘇って来た。

せっかくなので、東京発の普通の食事内容を、再び紹介しておきたいと思う。ちなみに、三つ折りになったメニューの表紙には、「オクトーバーフェスト・ハイライツ」と書かれている。確かにそんな季節だ。それから下記に示すように日本語の原文には「、」が入っているのが気になるのだが、ドイツ語と英語にはカンマである「,」が付けられているので、それに習っているのだろう。日本語的には、この点がない方が見やすいと思うのは余計なお世話だろうか。

▼昼食
前菜:ミックスグリーン、トマト、ラディッシュ、柚子ドレッシング
主菜:カツ丼、スクランブルエッグ、玉ねぎと人参 または 鶏胸肉のメンフィス風、ピーマン、ポテトウェッジ
デザート:新鮮な果物

▼夕食:オクトーバーフェスト名物料理
前菜:(書き漏らし)
主菜:鮭の照り焼き丼、玉子焼き、人参、ひじき、オクラ、または ポークソーセージ、玉ねぎ、ハーブソース、ザワークラウト、マッシュポテト(正確にはマッシュド・ポテイトゥズだが、この程度は許そう)
デザート:アップルシュトゥルーデル、ヴァニラソース

デザートの「新鮮な果物」という表現も気になる。「新鮮」ということばは不要だと思うのだが、ドイツ語と英語には「フレッシュ」という単語がしっかり入っている。個人的には「とれたて果物」の方が響きが良いと思うが、それもまた行き過ぎだろうか。いつも気になるのだが、こういう日本語は、一体、誰が考えるのだろうか。是非とも、一度、私が訳してみたいものである。「カツ丼」も「かつ丼」というように、ひらがなの方が見た目が良くなる気がするのだ。

加筆訂正:2011年12月1日(木)

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