エネクスレイン誕生 その2 2011.10.21
そこから、また考えに考えた。地球を軸にして考えるから「enexachse/エネクスアクセ」とか、時間を入れ込んだ「enexzeit/エネクスツァイト」とか、いまにして思えば滑稽な名前をたくさんつくった。もうこうなると、まさに堂々巡りで、何の打開策も出なくなってしまう。
理念を最優先にして、原点に戻って考えよう。そこから、地球にしかない大きな営みを、何か一つのことばで表したいと思うようになった。空か、川か、風か、海か、雲か、空気か。いや「水」があった。これだと思った。でも、実際にあてはめてみると「enexwater/エネクスウォーター」。その響きはスポーツドリンクそのものだった。これはだめだ。
しかし、そこから「rain/雨」に行き着くには、ほとんど時間はかからなかった。地球の大きな営みの一つは、「雨」となって我々の前に現れる。「雨」はときに川を氾濫させたり、洪水を引き起こしたりするから、必ずしも良い印象を与えるものではないと思う。でも、雨が降らなければ、ほとんどの生物は生きて行けない。
人は太陽の有難みを知っている。そして、雨がもたらす恵みも知っている。このどちらが欠けても生命は維持できない。太陽が少し良い印象を持っているなら、それを支える雨の方に視点を当ててみよう。こうして「enexrain」になった。友人の一人には「雨」には良い印象はないのではと言われたが、良く飲みに行く別の友人は賛成してくれた。
これで気持が固まった。エントロピーとエクセルギーと、地球の大きな循環を示す雨を合わせた造語が、こうしてでき上がった。人にどのように受け止められるかわからないけれども、意味はしっかり説明できる。ちなみになぜドイツ語を使わなかかったというと、雨はドイツ語で「regen/レーゲン」というからだ。全然奇麗ではない。
綴りをドイツ人に見せて、誰もが発音できるかを確認したら、ほとんど問題なかった。「rain」のところは、しっかり英語読みをしてくれる。そこまでは期待していないが、一発で読んでもらえるのが少し嬉しかったりもした。電話での会話の中で、ドイツ人にメールアドレスを伝えるのも、ほぼ問題ないこともわかった。
日本で電話越しに名前を伝えるときには、聞き返されることもあるが、ある程度は仕方がないだろう。私の言い方にも問題があるのかもしれない。それでも最近は、一回で聞き取ってもらえることが多くなったように思う。知名度が上がっているわけもないから、単にはっきりと発音できるようになっただけのことかもしれない。
今日はついに裏話を公開してしまった。こんなことを書くつもりなどなかったので、何だか恥ずかしいが、一般の人にとって、まったく重要でもないことに一人で力が入っているだけなので、読み飛ばして頂ければ幸いである。