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還流独歩

人生の岐路 その2 2011.11.20

さらに成長すれば、小中学、高校を選ぶ時期を迎える。義務教育で勉強を終える人もいれば、大学に入り博士課程に進む人もいる。学歴など関係なく、職人の道に進む人だっている。勉強は苦手だけれども、何かの運動力や才能に恵まれている人は、それが活かせる環境へ進むかもしれない。人生の岐路は、それらが混ざり合わさってやって来る。

生まれて来ること、幼少時、義務教育過程、進学、就職、仕事、結婚、出産、子育て、あるいは昇進、転勤、転職、退職といったそれらのすべてが自らの意思決定と、その人が取り巻く環境の中で岐路が生まれる。そう考えると、人間の人生というのは面白いものだ。最近になって、本当にそう思う。そして望まなくても、いつか死を迎える。

前置きが実に長くなったが、なぜ、そんなことを書いたかというと、親しくしている友人家族が、急に大阪に引越すことにしたと聞いたからだ。最初は状況がまったくわからなかったが、今日、会ったときに、いろいろと話を聞いてそれなりに納得できた気がする。ただそれにしても、本当に突然の話である。これを勇気ある決断と言うべきなのだろうか。

引越すことにした理由は、いろいろなことが複合的に作用しているとは聞いていたが、その大きな要因は、3歳になる子供のことを考えた結果だという。幸いにも、二人とも自由業に近いからこそできることだが、子供の将来を最優先に考えて、長年住んだ東京を離れ、大阪で新しい生活を始めるというのは、本当に大きな決断だと思う。

先日、車で大阪に出かけ、わずか3日間の滞在中に住む家まで決めて来たというから、その行動力にも感心してしまう。関西に住む人には甚だ失礼だが、大阪というところは、巨大化した下町であり、なかなか癖のあるところだから、特に関東の人にとっては、合う人と合わない人が必ず出て来る。札幌生まれの私は偏見などないから意外に好きな方だ。

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